Q1. AIはJavaScriptを読めないのですか。
一言では言えません。2024年12月17日公表の観測では、Gemini(Googlebot の基盤を利用)と AppleBot は実行すると報告され、OpenAI・Anthropic・Meta・ByteDance・Perplexity の各クローラーは実行していないと報告されました。観測日を伴う報告であり、現在形の断定ではありません。重要なのは、必要な情報と導線が初期HTMLにあるかです。
Q2. 「Googleはレンダリングするから問題ない」と言われました。そのとおりですか。
そのままは受け取れません。41日間の実験では、JavaScriptリンクの先へ到達した Google のアクセスの大半は GoogleOther によるもので、Googlebot の到達は2%でした。ただし同実験で Googlebot はHTMLリンク群でも5%にとどまり、著者はこれを新規ドメインのクロール予算の影響と読んでいます。
Q3. IRサイトが別ドメインにあります。何を確認すべきですか。
robots.txt はドメインごとに別に存在するため、コーポレートサイトでの確認結果はIRサイトに当てはまりません。IRサイト側のドメインについて、robots.txt、CDN・WAF層での遮断の有無、ユーザーエージェント別の到達範囲を別に確認してください(§10-5 の依頼文)。
Q4. 適時開示一覧がJavaScriptで読み込まれています。すぐ直すべきですか。
直す前に測ってください。JavaScriptを無効にして一覧ページを開き、項目と個別ページへのリンクが存在するかを確認します(§10-1)。存在しなければ改修の検討対象です。ただし本稿は実装手段を指定しません。書けるのは、主要な情報とそこへの導線を初期HTMLに置くことが現時点の複数観測と整合する、までです。
Q5. 株価情報を iframe で埋め込んでいます。AIには見えていないのですか。
「見えない」とは書けません。それを直接検証した調査を、本稿で確認した範囲では確認できませんでした。クローラーが iframe の読み込み先URLを発見し、別のリクエストとして取得する可能性もあります。言えるのは、取得経路が増えるため確認が要る、までです。
Q6. PDFはAIに読まれますか。
本稿は断定しません。Google は公式ドキュメントで、テキストで構成されたPDFは Google 検索のインデックスの対象になりうると説明しています。しかし、AIのクローラーがPDF本文をどう扱うかを直接検証した公開実験は、本稿で確認した範囲では確認できませんでした。自社の資料で確かめる手順は §10-6 にあります。
Q7. AIのクローラーは全部ブロックすべきでしょうか。
その問いの立て方が粗すぎます。OpenAI は公式ドキュメントで、学習用の GPTBot、検索用の OAI-SearchBot、利用者起点の ChatGPT-User を挙げ、設定は互いに独立していると説明しています。一括遮断は、検索表示のための取得まで止めえます。
Q8. robots.txt に書けば、ChatGPT からのアクセスは止まりますか。
止まらない場合があります。OpenAI の公式ドキュメントは、ChatGPT-User について、利用者が起点となる操作であるため robots.txt のルールが適用されない場合があると記載しています。また、更新の反映に約24時間かかることがあるとも明記されています。
Q9. XBRL を出しているので、構造化データは対応済みという理解でよいですか。
いいえ。XBRL は取引所の開示データ形式、schema.org はWebページに付けるマークアップで、目的も読み手も経路も異なります。TDnet への開示と、自社IRサイトのページがAIから取得できる状態にあることも別です。
Q10. 東証はAI上の認知の管理を求めているのですか。
求めていません。上場会社にはIR体制の整備が企業行動規範上の義務として課されていますが、AI上の自社認知を測定・管理することは義務ではありません。 どこまでを管理対象とみなすかは各社の判断です。
Q11. IRサイトをリニューアルしました。AIの回答はいつ更新されますか。
一律には言えません。41日間の実験の第2期では、書き換え後に GPTBot が2日以内に250ページを取得した一方、ClaudeBot は新しくリンクされたページを1ページも拾わず、Google は41日目時点でほぼ戻っていませんでした。1サイトの観測ですが、更新の速さがクローラーによって大きく異なりうる点は、社内説明の前提になります。
Q12. 改修すれば、AIの回答は何%改善しますか。
その数字は示せません。初期HTMLへの移行によってAI回答の正答率や引用のされ方が何%改善するかという定量値は、本稿で確認した範囲では確認できませんでした。社内で説明できるのは「取得できる状態にあることを確認した」までです。