実務ガイド

クエリファンアウト(query fan-out)とは|AIは一つの問いをどう複数の関連検索に広げて探すのか

2026-09-24更新 2026-09-28読了目安 23分

著者: 株式会社Vaigate(AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定するVaipmを運営)

この記事のポイント

クエリファンアウトとは、一つの問いに答えるためモデルが関連する複数の検索を同時に作って投げる手法です。Googleの定義と限定表現、観測で数倍ずれる本数、引用の安定性とファンクエリの入れ替わりの違い、ページを増やす対応がスパム方針に触れる理由、自社の測り方とその限界まで、一次の出典に当たって解説します。

結論サマリー

クエリファンアウト(query fan-out)とは、利用者が投げた一つの問いに答えるために、モデルが関連する複数の検索を同時に作って投げる手法です。 Googleが公式ドキュメントで定義している言葉です。本記事では、そのファンアウトで生まれる一つひとつの検索を「ファンクエリ」と呼びます。

Googleの定義は「同時並行の、関連した検索」であって、長さの条件は入っていません。観測では平均5〜7語前後の報告が多い一方、17語の例もあります。本記事は、ファンクエリを短さでは定義しません。

最初に置いておきたいことが二つあります。一つ目。ファンアウトが起きても、元の問いが無意味になるわけではありません。 Googleの説明では、ファンアウトの検索は利用者の問いに対処するために作られ、結果は一つの応答にまとめられます。ただし、元の問いの条件が一つひとつ必ず保持され、適用されるかどうかまでは、公開された資料からは確認できません。

二つ目。Googleの検索ドキュメントは、ファンアウトを「may use」、使うことがある、と書いています。 本記事は、この限定をそのまま運びます。

この記事で分かること

  • 提供元(Google、Microsoft など)による定義と説明の原文、その限定表現の強さ
  • 観測された検索の本数と、同じ ChatGPT でもモデルと時期で数倍変わったこと
  • 引用されるページの揃い方と、ファンクエリそのものの入れ替わりが、別々の測定であること
  • 取得されることと引用されることが別物であること
  • 問いの分解や検索語の拡張が、いつも精度を上げるとはかぎらないこと(研究の報告)
  • ファンクエリごとにページを作る対応を、Googleがどう書いているか
  • 自社が、条件の少ない問いと条件を重ねた問いのどちらで回答に出るかを測る手順と、その測定で言えないこと

対象読者

AI検索への対応を担う実務担当者と、その上長。すでに検索の担当をしていて、「AIが裏側で何をしているのか」を、伝聞ではなく提供元の記述と観測の数字で把握したい方を想定しています。

最初に置く数字

Googleは、AI Overviews と AI Mode について「may use a "query fan-out" technique」と書いています(AI features and your website・最終更新2025年12月10日)。断定ではありません。

ChatGPT を対象にした Nectiv Digital の観測では、一つの指示あたりの検索の平均が、2025年10月の報告で2.17本、2026年8月の報告で7.61本でした(後者は前年と同じ指示の一部、約4,000件を GPT 5.6 Sol で測ったもの)。同じ製品でも、モデルと時期が変われば、報告される本数は数倍変わります。 ただし収集の方法も二つの報告で違うため、変化のすべてをモデルの差には帰せません(§3-2)。

1. クエリファンアウトとファンクエリ — 言葉の整理

1-1. 提供元の定義

Googleの生成AI向け最適化ガイド(最終更新2026年7月10日)は、クエリファンアウトを次のように定義しています。

A set of concurrent, related queries generated by the model to request more information and fetch additional relevant search results to address the user's query

利用者の問いに対処するために、モデルが生成する、同時並行の関連した検索のまとまり。 定義に含まれているのは「同時並行」「関連した」「利用者の問いに対処するため」の三つです。長さについては、何も書かれていません。

同じガイドは、具体例も挙げています。元の問いが「how to fix a lawn that's full of weeds」(雑草だらけの芝生をどう直すか)だったとき、ファンアウトで生まれる検索は「best herbicides for lawns」「remove weeds without chemicals」「how to prevent weeds in lawn」などになりうる、という例です。

三つの検索は、それぞれ元の問いの一つの側面を扱っています。この例ではどれも元の問いより短い文字列ですが、それは例の性質であって、定義の条件ではありません。 §3 のとおり、17語のファンクエリも報告されています。

1-2. 本記事での呼び名

本記事では、ファンアウトで生まれる一つひとつの検索を「ファンクエリ」と呼びます。

「クエリファンアウト」は手法の名前であって、生まれるものの名前ではないため、呼び分けます。

ただし、はっきり断っておきます。「ファンクエリ」は当社が社内で使っている呼び名です。当社が提唱した語でも、標準化された用語でも、業界で広く通用する言い方でもありません。 本記事の中だけの整理として読んでください。提供元の公式文書に出てくるのは「query fan-out」「fan-out queries」であって、「fan query」ではありません。

本記事は、ファンクエリを「短い検索」とは呼びません。 長さは §3-3 で、観測の数字として扱います。

1-3. 元の問いは、どこまで残るのか

言えること。 Googleの定義では、ファンアウトの検索は「利用者の問いに対処するため」に作られます。2025年3月の発表記事は、複数の検索の結果をまとめて、分かりやすい応答にすると書いています。応答が向かう先は、元の問いです。 ファンアウトが起きたからといって、元の問いが無意味になるわけではありません。

観測の側にも、同じ向きの数字があります。ChatGPT を対象にした AirOps の報告(2026年4月13日)は、ページの見出しが元の問いにどれだけ近いかが、調べた内容面の信号の中で引用と最も強く結びつき、ファンアウトの小項目の網羅はほとんど効いていなかったと書いています(見出しの水準で機械的に測った観測)。

言えないこと。 元の問いの条件が一つひとつ必ず保持され、条件ごとに探され、合わない情報が必ず除かれる。そこまでは、Googleの公式文書にも、本記事が確認した他の資料にも書かれていません。

「どうせ分解されるのだから、条件の多い問いへの対応は考えなくてよい」という読み方は、応答が元の問いに向かうことを落としています。一方で、「条件はすべて答えに効く」と言い切るのも、確認できる範囲を超えます。この間は、実際に測って確かめることになります。 ここが本記事の通しの主張です。

なお、条件の多い問いそのものをどう扱うかは、本記事の親にあたる別記事で扱います。本記事は、その問いが「どう広げて探されるか」に絞ります。

2. 提供元は何と書いているか

ここは一次の記述だけで組み、表現の強さは原文のまま写します。

2-1. Google

検索ドキュメント「AI features and your website」(最終更新2025年12月10日)は、次のように書いています。

Both AI Overviews and AI Mode may use a "query fan-out" technique — issuing multiple related searches across subtopics and data sources — to develop a response.

「may use」です。 使うことがある、という書き方であって、常に使うとは書かれていません。この限定は落とせません。

一方、製品発表の記事では、限定が付いていません。2025年3月5日の発表記事は次のように書いています。

It uses a "query fan-out" technique, issuing multiple related searches concurrently across subtopics and multiple data sources and then brings those results together to provide an easy-to-understand response.

2025年5月20日の記事も同様です。

AI Mode uses our query fan-out technique, breaking down your question into subtopics and issuing a multitude of queries simultaneously on your behalf.

さらに、同じ記事は Deep Search について次のように書いています。

Deep Search uses the same query fan-out technique but taken to the next level. It can issue hundreds of searches, reason across disparate pieces of information, and create an expert-level fully-cited report in just minutes, saving you hours of research.

数百の検索です。 ただし「can issue」であり、Deep Search という特定の機能についての記述です。

同じ会社が、発表記事では断定し、検索ドキュメントでは「may」を付けています。 書かれている場所と目的が違います。実務で前提を置くときは、より限定の強い検索ドキュメントの側に合わせるのが安全です。

2-2. Microsoft と OpenAI

Microsoft のサポート記事「How web search works in Microsoft Copilot Chat and agents」は、Copilot のチャットでの Web 検索を次のように説明しています。

Copilot generates a Bing search query using a few words from your prompt or any file you've uploaded.

チャットに書いた指示から、数語の Bing の検索語を作る、という説明です。 指示の全体は、ごく短い場合を除いて検索語にしないとも書いています。Web 検索は、新しい情報を取り込んで指示に対してより効果的に推論するためのもの、という位置づけです。

管理者向けの文書(Microsoft Learn・2026年8月18日更新。Microsoft 365 Copilot は Microsoft Copilot に改称と注記)は、指示を解析して Web の情報が役立つ語を見つけて検索語を作ること、役立つときに Bing から取得することがある(may fetch)ことを書き、「Fabrikam strategy」「Fabrikam financials」の二つの検索語ができる例と、作られない例を載せています。Bing に送った検索語は、回答の出典の欄で利用者が見られます。ただし、会話の履歴が検索語の作り方にどう使われるかは、二つの文書には書かれていません。

OpenAI のヘルプ記事「Searching the web with ChatGPT」は、外部の検索事業者を使う場合について次のように書いています。

ChatGPT search typically rewrites your query into one or more targeted queries that it sends those providers.

問いを、的を絞った一つ以上の検索に書き換えることが多い(typically)、という書き方です。 例として、CCR8 を標的とする薬の開発状況を尋ねる問いから、まず「CCR8 immunotherapy drug development 2025」で検索し、結果を見て、より具体的な「CHS-114 conference 2025」を送ることがある(may)と挙げています。記憶の機能が有効なら、保存された記憶を書き換えに使うことがある(may)、とも書いています(AIの記憶とパーソナライズ)。検索そのものも、新しい情報が役立つ問いで自動的に行うことがある(may)という書き方です。

2-3. 発行された検索が、外から見えるかどうか

ファンクエリが発行されることと、それが見えることは別の話です。

Gemini API の公式ドキュメントは、Google検索によるグラウンディングを使ったとき、応答に google_search_call というステップが含まれ、そこにモデルが実行した検索(queries)が入ると説明しています。自分でAPIを呼んだ開発者には、そのとき発行された検索が返ります。

Claude の Web検索ツールのドキュメントも、応答の server_tool_use ブロックに検索の文字列(input.query)が入る例を示しています。

OpenAI の Web検索ツールのドキュメントは、web_search_call.action について 「It will usually (but not always) includes the search queries which were searched.」と、限定付きで書いています。

サイトの運営者の側から見えるものは違います。

Bing Webmaster Tools は、2026年2月10日に「AI Performance」の公開プレビューを案内し、その中の grounding queries を次のように説明しています。

Shows the key phrases the AI used when retrieving content that was referenced in AI-generated answers.

AIの回答で参照されたコンテンツの取得に使われた語句、です。 引用に至らなかった取得は、この範囲に入っていません。Bing は2026年6月16日に、意図の分類(Intents)、語句のまとまり(Topics)、ある語句で表示された引用のうち自サイトが占める割合(Citation Share)、期間の比較(Compare)を、プレビューとして世界で追加しました。

Google の Search Console は、2026年6月3日に生成AIの機能での表示を見るレポートを発表し、2026年8月31日に全世界のすべてのサイトへの展開を終えたと追記しています。見られるのは、AI Overviews や AI Mode での自サイトのURLの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付で分けたものです。利用者の問いは含まれていません。したがって、ファンクエリも見えません。

表1:提供元の公式文書における記述と、その強さ
出所日付書かれていること限定の強さ
Google 生成AI向け最適化ガイド2026-07-10 最終更新クエリファンアウトの定義。同時並行の関連した検索のまとまり。長さの条件は無い定義。限定なし
Google 検索ドキュメント(AI features)2025-12-10 最終更新AI Overviews と AI Mode がファンアウトを使うことがあるmay use
Google 発表記事2025-03-05AI Mode がファンアウトを使い、複数の関連検索を同時に発行し、結果をまとめて応答にする断定(uses)
Google 発表記事2025-05-20AI Mode が問いをサブトピックに分け、多数の検索を同時に発行する。Deep Search は数百の検索を発行しうる断定(uses)/Deep Search は can issue
Gemini API ドキュメント―応答にモデルが実行した検索が含まれる仕様の記述
Claude Web検索ツール ドキュメント―単純な事実確認は1〜3回、比較や複数の対象を扱う調査は10回以上使うことがあるtypically/can use
OpenAI Web検索ツール ドキュメント―実行された検索は、通常は(ただし常にではなく)応答に含まれるusually (but not always)
OpenAI ヘルプ記事(ChatGPT の検索)更新日の明示なし問いを一つ以上の的を絞った検索に書き換える。記憶を書き換えに使うことがあるtypically/may
Microsoft サポート記事/管理者向け文書―/2026-08-18 更新Copilot は指示から数語の Bing の検索語を作る。指示の全体は、ごく短い場合を除き検索語にしない仕様の記述/取得は may fetch
Bing Webmaster Tools 発表記事2026-02-10/2026-06-16AIの回答で参照されたコンテンツの取得に使われた語句を表示する。6月に意図の分類・語句のまとまり・引用の占有率・期間比較を追加機能の記述。プレビュー
Google Search Console 生成AIレポート2026-06-03 発表/2026-08-31 全サイトに展開AI Overviews と AI Mode での自サイトのURLの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付別に表示する。問いは表示されない機能の記述

2-4. 何本出るのかについて、提供元が書いていること

Claude の Web検索ツールの公式ドキュメントは、回数について次のように書いています。

Simple factual queries typically use 1–3 searches; comparative or multientity research can use 10 or more.

単純な事実確認なら1〜3回、比較や複数の対象を扱う調査なら10回以上になることがある。 開発者が max_uses を決める目安ですが、問いの性質によって回数が大きく変わることを、提供元自身が書いている例として読めます。

同じドキュメントは、最近の出来事や現在の値が要るもの、変わりうる対象については検索し、確立した事実や数学や創作については検索せずに答える、と整理しています。検索そのものが起きないことがあります。

Anthropic が2025年6月13日に公開した技術記事は、複数のサブエージェントを使う調査の仕組みについて、次のような数字を挙げています。

Simple fact-finding requires just 1 agent with 3-10 tool calls, direct comparisons might need 2-4 subagents with 10-15 calls each, and complex research might use more than 10 subagents.

費用についても書いています。

agents typically use about 4× more tokens than chat interactions, and multi-agent systems use about 15× more tokens than chats.

分解には費用がかかります。 同記事は、この構成が向くのは互いに依存しない複数の方向を同時に追う問いで、同じ文脈の共有が要る領域や、依存関係の多い領域は向かないと書いています。

なお、この記事は Anthropic 自身の調査システムの設計についてのものです。各社の製品が内部でどの検索方式を使っているかは、公開された一次の記述の範囲を超えるため、本記事では扱いません。

2-5. 確認できなかったもの

Perplexity の Pro Search のヘルプ記事は、取得が拒否され、確認できませんでした。 Perplexity が公表している内容については、本記事では触れません。

確認できなかったことを、「そう書かれていない」とは書きません。 確認できなかった、というだけです。

3. 実際にどんな検索が出ているか

ここからは観測の報告です。 提供元の公式文書ではありません。いずれも、各社や個人の実務者が自分の事業のために収集・公表したものです。モデル名・日付・標本・収集の方法を、数字と一緒に読んでください。

3-1. 五つの報告

表2:ファンクエリの本数と長さに関する観測(5件)
報告(公表日)対象標本収集の方法1件あたりの本数語数
Nectiv Digital(2025年10月14日)ChatGPT(モデルの記載なし)8,500件超の指示・9業種自社のトラッカーで抽出(APIか画面かの記載なし)平均2.17(分母は §3-5)。最大4本。検索が起きたのは指示の31%平均5.48語。最長12語。5語以上が77%
Nectiv Digital(2026年8月13日)ChatGPT(GPT 5.6 Sol)前年と同じ指示の一部、約4,000件OpenAI の API平均7.61。最大29本平均6.82語
Seer Interactive(2025年11月21日)Gemini 3501件の指示Gemini 3 の API。すべての指示でグラウンディングを強制平均10.7。範囲3〜28本(Gemini 2.5 は平均6.01)平均6.7語。範囲2〜17語
AirOps(2026年4月13日)ChatGPT(モデルの記載なし)16,851件の固有の問い・10カテゴリ。各問いを3回、計50,553件の回答画面からの収集(APIではない)88.6%がちょうど2本。8.8%が0本。2.5%が4本以上記載なし
MJ Cachón(2026年8月25日)。個人の実務者のブログによる観測ChatGPT(GPT-5.5)3社のブランドについての指示189件、計723回の実行OpenAI の公式API1回の実行あたり平均2.6(最大13)平均7語

3-2. 本数は、条件で数倍変わる

Nectiv Digital の二つの報告は、同じ ChatGPT について、2025年10月の平均2.17本と、2026年8月の平均7.61本を報告しています。後者は前年と同じ指示の一部を GPT 5.6 Sol で測ったものです。同じ製品でも、モデルと時期で数字は大きく変わります。 ただし抽出の方法も、自社のトラッカーから OpenAI の API に変わっており、変化のすべてをモデルの差には帰せません。

同じ ChatGPT でも、AirOps(2026年4月・画面からの収集)では88.6%の問いがちょうど2本、個人の実務者のブログによる Cachón の観測(2026年8月・GPT-5.5・API・ブランドについての指示)では1回の実行あたり平均2.6本でした。

Seer Interactive の Gemini 3 の平均10.7本には、すべての指示でグラウンディングを強制したという条件が付いています。同社は、自然な状態でどれだけ Google 検索を使うかはこの調査では分からない、と自ら書いています。検索が起きたのは指示の31%だった Nectiv の2025年とは、前提が違います。Seer は ChatGPT と比べて「5倍」という趣旨も書いていますが、同社が別社の観測と比べた記述であり、同じ条件の比較ではありません。

したがって、「ファンアウトは何本か」には一つの数字で答えられず、この記事も丸めません。

3-3. 語数の傾向

語数は、五つのうち四つの報告に数字があります。平均5.48語(Nectiv 2025年)、6.82語(Nectiv 2026年)、6.7語(Seer)、7語(Cachón。個人の実務者のブログによる観測)です。

Nectiv Digital の2025年の報告は、米国の通常の Google 検索の平均を3.4語とし、この数字を Semrush の調査に帰属させています。 本記事は、その Semrush の調査の原データと算出の条件までは確認していません。

Seer Interactive の報告には、木目らしいデッキ材を尋ねた指示から、四つの製品の系列を名指しで並べる17語の検索が生まれた例が載っています。同社はこれを、言い換えではなく、より具体的な方向へ広げた検索だと読んでいます。生成されたファンクエリの95%に世界全体での検索ボリュームが無かった、とも書いています。

ファンクエリは、元の問いより短いこともあれば、人が普段打つ検索語より長いこともあります。 短さは定義ではなく、報告ごとに違う傾向です。表2の報告は英語またはスペイン語の問いが対象で、日本語での観測は、本記事の調査範囲では確認できませんでした。

3-4. 足される語

元の問いに無い語が検索に足される例が報告されています。

  • 年:Seer では、ファンクエリの21.3%に2024年か2025年が含まれていました(Gemini 3)。Nectiv の2026年の報告は、ChatGPT が今年と前年の両方の年を入れて検索する例が多い、と書いています
  • ブランド名:Seer では26.4%のファンクエリにブランド名が含まれていました。ブランド名を含まない、記帳の担当者向けの給与計算ソフトを尋ねる指示から、特定の企業名を含む検索が生まれた例も載っています
  • 公式の情報源への絞り込み:Nectiv の2026年の報告では、ChatGPT のファンクエリの64%に「site:」を使った検索があり、「official」が二番目に多く使われた語でした

こうした検索が出ている以上、自社の名前と扱うカテゴリの関係や、情報の時点を、ページの上で明確にしておくことは検討に値します。 ただし、これらの観測は、そうした施策の効果を検証したものではありません。

3-5. 集計値の分母が明示されていない報告があること

Nectiv Digital の2025年の報告は、集計値として次の数字を並べています。

  • 「Total Number Of Searches: 2,648」
  • 「Percentage Of Search Instances: 31%」
  • 「Average Number Of Searches: 2.17」

報告の方法の説明は、8,500件超の指示のうち検索を記録したものについて検索語を抽出した、というものです。8,500件の31%はおよそ2,635件で、2,648に近い値です。そう読むと、2,648は検索が起きた指示の数で、2.17は検索が起きた指示一件あたりの本数だとも考えられます。 ただし、報告の中で各集計値の分母と単位は明示されておらず、本記事では2.17を他の集計値から再計算して確かめることができませんでした。 2.17は、この条件を付けて読んでください。

4. 同じ問いでも、引用されるページは安定しない

4-1. 引用の一貫性

AirOps の報告(2026年4月13日)は、16,851件の固有の問いを、それぞれ3回ずつ ChatGPT に投げています。同報告は、ある問いについてあるページが3回のうち何回引用されたかを「引用の一貫性」として測り、次のように書いています。

Only 2.3% of page-query combinations are cited in all 3 runs, making consistent citation the most stringent quality bar in the dataset.

ページと問いの組み合わせのうち、3回すべてで引用されたのは2.3%です。

この数字は、引用の一貫性です。ファンクエリそのものが実行ごとに繰り返されるかどうかを測ったものではありません。 AirOps は各回のファンクエリも記録していますが、3回の間の一致は集計していません。2.3%から「次の実行では違うファンクエリが出る」とは言えません。 言えるのは、同じ問いでも引用されるページは安定しない、ということです。

研究の側にも、同じ向きのプレプリント(査読前の論文)があります。Sielinski(arXiv:2603.08924、2026年3月投稿/8月改訂)は、Perplexity Search、OpenAI SearchGPT、Google Gemini に、三つの商品分野について言語モデルで作った問い各200件を、9日間毎日投げています。9日分の回答を二つずつ比べると、引用されたドメインの重なり(Jaccard 係数の中央値)は Gemini で0.29〜0.31、SearchGPT で0.33〜0.40、Perplexity で0.50でした。どちらかの回答に出たドメインのうち、両方に出たのは3〜5割程度、ということです。 ドメイン単位の比較で、観測は約9日間です。

4-2. ファンクエリそのものは、繰り返されるか

ファンクエリそのものの繰り返しを測った観測として、本記事の調査では次の二件を確認しました。

Surfer の報告(最終更新2026年9月17日)は、グラウンディング付きの Gemini を AI Overviews と AI Mode の代わりの観測手段とし、計1,600回の実行を集めています。同じ問いを10回実行し、各回のファンクエリを1回目、および直前の回と比べたところ、どちらでも一致はおよそ27%でした。 語句全体の66%は一度しか出ず、すべての回に出たのは0.6%でした。

補足として、個人の実務者のブログによる MJ Cachón の観測(2026年8月25日)があります。GPT-5.5 を OpenAI の公式API経由で使い、ブランドについての指示189件を計723回実行したものです。1回の実行では平均3本未満でしたが、4回実行すると、異なるファンクエリの数は一件あたり10.3に増えた、としています。この累計の数字は Cachón 単独の観測で、他の報告では確かめられていません。

主な根拠は Surfer の観測で、Cachón の観測は同じ向きの補足です。 この範囲では、同じ問いを繰り返すと、ファンクエリの多くが入れ替わっていました。一回の実行で得た一覧は、発行されうる検索の一部にすぎない可能性があります。

ただし、二件とも、APIやモデルを直接使った観測で、利用者が使う製品の画面そのものではありません。 Surfer は一致の判定方法(文字列の完全一致か、意味の近さか)を、本記事が確認した範囲では書いていません。Cachón はブランドについての指示だけが対象で、一般的な指示には当てはまらない、と自ら限定しています。日本語での観測は、本記事の調査範囲では確認できませんでした。

表3:繰り返しについての観測と、それぞれが測っているもの
報告測っているもの結果条件
AirOps(2026-04-13)引用の一貫性。ある問いについて、あるページが3回のうち何回引用されたか3回すべてで引用されたのは、ページと問いの組み合わせの2.3%ChatGPT・画面からの収集。ファンクエリの一致は測っていない
Surfer(2026-09-17 最終更新)ファンクエリの一致。各回を1回目・直前の回と比べる一致はおよそ27%。66%は一度だけ出現。全回に出たのは0.6%グラウンディング付きの Gemini・10回の実行。一致の判定方法は未確認
MJ Cachón(2026-08-25)。個人の実務者のブログによる観測異なるファンクエリの数。実行を重ねたときの累計1回では平均3本未満、4回で一件あたり10.3(Cachón 単独の観測)GPT-5.5・API・ブランドについての指示のみ。Surfer の観測の補足

4-3. 帰結 — 一回の測定は試行

表3の三件は、測っているものが違います。それでも、向きは同じです。 引用されるページも、発行されるファンクエリも、同じ問いを繰り返すと揃いません。

一回の測定は、観測ではなく試行です。 状態として読める何かを取り出すには、同じ条件で繰り返す必要があります(§9)。

5. 取得されることと、引用されることは別物

OpenAI の Web検索ツールの公式ドキュメントは、sources と citations を分けたうえで、次のように書いています。

The number of sources is often greater than the number of citations.

取得元の数は、引用の数より多いことが多い。 引用は応答に含まれる参照であり、sources はモデルが答えを組むときに参照したURLの一覧です。両者は一致しません。

AirOps の報告も、同じ向きの数字を出しています。回答を組む過程で取得された353,799ページのうち、58%は出現したどの問いでも一度も引用されず、25%は出現するたびに引用され、その間は17%でした。 同報告は、引用を最も強く分けたのは ChatGPT の検索結果での順位で、1番目のページの引用率は58.4%、10番目では14.2%だったとし、この結果は ChatGPT の検索の仕組みに固有のものだと限定しています。

表4:取得と引用の関係について、確認できた記述
出所種別内容
OpenAI Web検索ツール ドキュメント提供元の公式文書取得元の数は、引用の数より多いことが多い
AirOps(2026-04-13)ベンダーの観測取得された353,799ページのうち、58%は一度も引用されず、25%は出現するたびに引用された
AirOps(2026-04-13)ベンダーの観測検索結果の1番目のページの引用率は58.4%、10番目は14.2%。この結果は ChatGPT に固有と同報告が限定
Bing Webmaster Tools(2026-02-10/2026-06-16)提供元の機能の記述表示されるのは、AIの回答で参照されたコンテンツの取得に使われた語句と、その語句での引用の占有率

表4の最後の行が、サイト側の観測可能性に効きます。 Bing が見せるのは参照されたコンテンツの取得に使われた語句で、取得されたが引用されなかった分は入りません。サイト側から見える情報は、引用に至った経路に偏っています。

「AIに取得された」ことと「AIの回答に出た」ことは、別々に測る必要があります。 サーバーログでAIのクローラーからの取得が見えても回答に出た証明にはならず、逆に回答に出ていても取得の記録が見えないことがあります。

AIの回答で何が引用元として使われるかという論点は、AIは何を見て自社を語るのかを扱う記事で広報の面から整理しています。取得された情報がどれだけの期間AIの回答に残るかという論点は、AI回答に情報がいつまで残るのかを扱う記事で扱っています。

6. 分解や拡張は、いつも効くわけではない

問いを分けることや、検索語を広げることは、常に検索の精度を上げる手続きではありません。 研究の側からは、効く条件と効かない条件の両方が報告されています。

以下は情報検索・検索拡張生成(RAG)の研究であり、各社の本番のファンアウトを検証したものではありません。 実験の設定は論文ごとに違います。

6-1. 検索語を足すほど良いとは限らない — 近接する領域の研究

Weller ほかの研究(2023年9月15日投稿/2024年2月26日改訂)は、言語モデルによるクエリ拡張・文書拡張を、11の拡張手法、12のデータセット、24の検索モデルにわたって調べています。要旨から引きます。

We find that there exists a strong negative correlation between retriever performance and gains from expansion: expansion improves scores for weaker models, but generally harms stronger models.

検索器の性能と、拡張による利得のあいだに強い負の相関がある。拡張は弱いモデルでは点数を上げるが、強いモデルでは概して害になる。

Our results suggest the following recipe: use expansions for weaker models or when the target dataset significantly differs from training corpus in format; otherwise, avoid expansions to keep the relevance signal clear.

関連性の信号を濁らせないために、そうでなければ拡張を避けよ、という書き方です。

この研究の対象は、問いの分解でもファンアウトでもありません。問いや文書に語を足す「拡張」です。 したがって、ファンアウトが効かないことの証拠ではありません。本記事はこの研究を、関連する検索語を増やせば増やすほど取得が良くなるとは限らない、という近接する領域の証拠として位置づけます。

6-2. この研究で効果が確認されたのは、マルチホップの問い

Ammann、Golde、Akbik の研究(2025年7月1日投稿)は、問いを小問に分解し、小問ごとに文書を取得し、統合した候補をリランクする構成を提案しています。要旨から引きます。

We evaluate our approach on the MultiHop-RAG and HotpotQA, showing gains in retrieval (MRR@10: +36.7%) and answer accuracy (F1: +11.6%) over standard RAG baselines.

取得(MRR@10)で36.7%、回答の正確さ(F1)で11.6%の改善、という報告です。

この研究が扱っているのは、要旨の言葉で言えば「multi-hop questions」、関連する事実が複数の文書に散っていて、一つの文書に同居していない問いです。 要旨は、その例として「Which company among NVIDIA, Apple, and Google made the biggest profit in 2023?」を挙げています。要旨の範囲では、マルチホップ以外の問いで同じ効果があるとは書かれていません。分解が害になったという記述も、要旨の範囲には確認できませんでした。

企業についての問いにも似た構造のものはありえますが、この論文は企業サイトのページ構成を検証したものではありません。 自社の情報をどう配置すれば有利かは、この研究からは導けません。

6-3. 知られていない事実ほど、検索による補強の便益が大きかった

Mallen ほかの研究(2022年12月20日投稿/2023年7月2日改訂)は、14,000問のデータセットを作り、10のモデルと4つの拡張手法で事実知識の保持を調べています。要旨から引きます。

We find that LMs struggle with less popular factual knowledge, and that scaling fails to appreciably improve memorization of factual knowledge in the long tail. We then show that retrieval-augmented LMs largely outperform orders of magnitude larger LMs, while unassisted LMs remain competitive in questions about high-popularity entities.

言語モデルは知られていない事実でつまずき、大きくしてもあまり改善しない。検索で補ったモデルは、桁違いに大きいモデルを上回る。よく知られた対象では、検索なしでも競り合える。

この結果は、知名度の低い対象について、外部の情報の取得が重要になりうることを示唆します。ただし、実際の製品が対象の知名度によって検索するかどうかを決めていることを示した研究ではありません。

表5:分解と検索に関する研究の報告(3件)
報告投稿確認できた内容範囲の限定
Weller ほか2023-09-15/改訂 2024-02-26拡張は弱い検索モデルでは点数を上げるが、強いモデルでは概して害になるクエリ拡張・文書拡張の研究。分解やファンアウトそのものではない。近接する領域の証拠
Ammann ほか2025-07-01分解とリランクを組み合わせると、取得で36.7%、回答の正確さで11.6%の改善マルチホップの問いが対象。二つのデータセットでの評価。企業サイトのページ構成は検証していない
Mallen ほか2022-12-20/改訂 2023-07-02知られていない事実では検索による補強の便益が大きい。よく知られた対象では検索なしでも競り合う事実知識の保持を調べたもの。実製品が検索するかどうかの条件ではない

7. やってはいけないこと — ファンクエリごとにページを作る

ここは言い換えずに、Googleの原文を正面から引きます。 生成AI向け最適化ガイド(最終更新2026年7月10日)から。

While it might be tempting to create separate content for every possible variation of how people might search (for example, by focusing on other queries that people have asked, or fan-out queries), doing so primarily to manipulate rankings or generative AI responses in Google Search violates Google's scaled content abuse spam policy.

人がどう検索しうるか、そのあらゆる変形ごとに別々のコンテンツを作りたくなるかもしれないが(たとえば、人が尋ねた他の問いや、ファンアウトの検索に的を絞って)、Google検索における順位や生成AIの回答を操作することを主な目的としてそうすることは、Googleの大量生成によるスパムの方針に違反する。

ファンアウトの検索が名指しで書かれています。 ファンクエリを一覧にして一つひとつにページを当てる対応は、この文が名指ししている形そのものです。

原文の条件も落とさずに読んでください。「primarily to manipulate」、操作を主な目的とする場合、です。 検索されうる語に触れるページを作ること自体が禁じられているのではありません。目的が操作にあるかどうかが、原文の分かれ目です。

そのうえで、本記事は実務としても勧めません。理由は四つあります。

第一に、対象が揃いません。 §4-2 の観測(主に Surfer)では、同じ問いを繰り返すと、ファンクエリの多くが入れ替わりました。Seer の観測では、95%に検索ボリュームがありませんでした。一回で得た一覧は、発行されうる検索の一部にすぎない可能性があります。

第二に、本数の前提が置けません。 §3 のとおり、本数はモデル、時期、収集の方法で数倍変わります。

第三に、取得されることは引用されることではありません。 §5 のとおり、取得されたページの58%は一度も引用されなかった、という観測があります。

第四に、小項目を広く押さえることが引用に効く、という観測がありません。 AirOps の報告では、見出しの元の問いへの近さを高い水準でそろえて比べたとき、ファンアウトの小項目の26〜50%を押さえたページのほうが、100%を押さえたページより引用率が高くなっていました。

8. やるべきこと — 元の問いに答える中身

問いに、実際に答える情報を持つこと。 ページの数ではなく、中身の話です。

§1-3 のとおり、応答は元の問いに向けて組まれますが、元の問いの条件がどこまで効くかは確認できません。そのうえで確かめておく形は、次のとおりです。

  • 元の問いに、正面から答えているか。 見出しと本文が、読者が実際に投げる問いに答える形か。AirOps の観測では、見出しと元の問いの近さが引用と結びついていました(ChatGPT・見出しの水準)
  • 関連する情報どうしの関係が読めるか。それぞれのページが、明確な問いに答えているか。 業種、規模、地域、価格帯、納期といった情報が、互いにどう関係するかが読めるか。ただし、すべての条件を一つのページに集めるのが有利だとは、確認した出典からは言えません(§7 の第四の点)
  • 自社の名前とカテゴリの関係、情報の時点が、本文から読めるか。 §3-4 の観測を踏まえて検討に値しますが、観測はその効果を検証していません
  • 定義と数字が、テキストとしても書かれているか。 Google のガイドは、生成AIの機能が画像や動画を取り込めること、ブラウザで動くエージェントが画面の描画を解析しうることを書いており、「画像は読まれない」とは言えません。 ただ、画像の中にしか無い数字は、画像を扱わない経路では拾われません。テキストを併記すれば、どちらの経路でも読める形になります
  • 自社の外で、自社がどう書かれているか。 §5 のとおり、引用元が自社以外のページになることもあります

そして、対応の効果を確かめるには、最終的に実測が必要です。 ここからが本記事の中心です。

9. 測定 — 自社は、どの形の問いで回答に出るか

9-1. 測れるものと、測れないもの

自社について、AIが実際にどんなファンクエリを発行したかは、サイト側からは一般に見えません。 §2-3 の内容を、見えるものと見えないものに分けると次のとおりです。

表6:サイト側・開発者側から見えるもの
手段見えるもの見えないもの
Google Search Console 生成AIレポートAI Overviews と AI Mode での自サイトのURLの表示回数。ページ・国・デバイス・日付別利用者の問い。ファンクエリ
Bing Webmaster Tools AI PerformanceAIの回答で参照されたコンテンツの取得に使われた語句。意図の分類、語句のまとまり、引用の占有率、期間比較取得されたが引用されなかった分
各社のAPI(Gemini、OpenAI、Claude)自分で呼んだときに発行された検索一般の利用者の画面の裏で発行された検索。OpenAI は、検索が応答に含まれるのは通常であって常にではないとしている

一般の利用者の画面の裏で何が発行されたかを外から網羅的に見る手段は、本記事の調査範囲では確認できませんでした。したがって、測るのは「経路」ではなく「結果」です。 どの形の問いで回答に出るか、出ないときに何が出ているかは、経路が見えなくても測れます。

9-2. 四つの問いを測る

表7:測る四つの問いと、分かること・分からないこと
測ること問いの形分かること分からないこと
条件の少ない問いで出るか条件を一つか二つ含む、比較的単純な問いその形の問いを直接投げたときに、回答に出るか。内部のファンアウトで候補に入るかどうかの代理指標内部で発行された検索で、実際に候補に入ったかどうか
条件を重ねた問いで出るか条件を三つ以上重ねた、実際に投げられる形に近い問いその問いへの回答に出るか。どう扱われるかどの条件が効いたか
二つが割れるか上の二つを同じ条件で並べて測る原因を切り分けるための診断仮説を作れる原因そのもの
出ていないとき、代わりに何が出るか自社が出なかった問いの回答本文と引用元を記録する何が自社の位置に入っているか。何が出典として引かれているか―

表7の一行目は、代理指標です。 利用者が条件の少ない問いを直接投げた場合と、モデルの内部からファンアウトとして同じ文字列が発行された場合とで、検索の文脈、結果の並べ替え、ツールの設定が同じだとは確認されていません。条件の少ない問いで出ることは、内部のファンアウトで候補に入ることを直接示すものではありません。

「条件の少ない問い」は語数で決めません。§3-3 の平均5〜7語前後は英語またはスペイン語の観測で、日本語は語の切り方が違います。本記事は、条件を一つか二つ含む比較的単純な問い、という意味の構造で定義します。

三つ目が、この章の核心です。 割れ方ごとに仮説が立ちます。

  • 条件の少ない問いでは出るのに、条件を重ねた問いでは出ない。 重ねた条件に答える情報が足りないか、読み取りにくい形になっている
  • 条件を重ねた問いでは出るのに、条件の少ない問いでは出ない。 条件に答える情報はあるが、条件の少ない問いで候補に挙がる形になっていない
  • どちらでも出ない。 情報が無いか、取得されていないか。ここで四つ目の記録が効きます。自社の位置に入っているページが何に答えているかが、足りない情報の手がかりになります

いずれも仮説であって、原因の確定ではありません。 仮説を立てたら対応を変え、同じ条件でもう一度測ります。

9-3. なぜ一回では足りないか

§4 で見た二種類の観測が、ここに効きます。 引用の一貫性では、3回とも引用されたのはページと問いの組み合わせの2.3%でした(AirOps)。ファンクエリそのものも、繰り返すと多くが入れ替わりました(主に Surfer。個人の実務者のブログによる Cachón の観測も同じ向き)。

一回出てこなかったことは、出ないことの証明になりません。一回出てきたことも、出続けることの証明になりません。反復は選択肢ではなく前提です。同時に、揺らぎ以外の要因を止めるために、条件を固定します。

表8:固定して、開示する条件
条件固定しないとどうなるか
反復の回数一回なら、それは観測ではなく試行。回数を書かない数字は前後で比較できない
過去のやりとりを引き継がないことログインの状態や履歴が残っていると、自社を測っているのか、測っている人の履歴を測っているのか区別がつかない
複数のエンジンにまたがること§2 と §3 のとおり、提供元ごとに記述も、観測される本数も違う。一つの結果を全体の結果として読めない
言語日本語での観測は、本記事の調査範囲では確認できなかった。測った言語を書かないと、他の数字と並べられない
問いの設計条件の少ない問いと条件を重ねた問いを同じ条件で並べていなければ、§9-2 の三つ目が読めない

そして、これらを開示してください。 条件を書かずに出した数字は、自社の中でも一年後に読み返せません。

9-4. 何を記録するか

出てきたか、出てこなかったか。それだけでは足りません。 記録すべきものは三つです。

一つ目。出てきたかどうか。 反復のうち何回出たか。割合で持ちます。

二つ目。どう扱われたか。 候補の一つとして挙がったのか、条件に合う例として挙がったのか、他社と比べて不利な書かれ方をしたのか。順位ではなく、扱われ方です。

三つ目。何が引用元として引かれたか。 自社のページなのか、他社のまとめ記事なのか、比較を扱う記事なのか。

三つ目を落とすと、次に何をすればよいかが分からなくなります。 条件を重ねた問いでだけ他社のまとめ記事に入れ替わるなら、その条件に答える情報が自社の側に足りない、という仮説が立ちます(§9-2 の三つ目と四つ目)。

なお、AIの回答の原文は書き換えずに残してください。 要約して記録すると、次に読み返したときに、何が書かれていたのかが確かめられなくなります。

9-5. 当社の測り方

当社、株式会社Vaigate(ヴァイゲート)が運営する Vaipm(ヴァイピム)は、AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定しています。ステートレスとは、ログインの状態や過去のやりとりを引き継がずに測る、という意味です。同じ条件で繰り返すことで、§4 で見たような揺らぎの中から、状態として読める部分を取り出します。

この回数は、当社の運用上の設計です。研究から導かれた最適値ではありません。

§9-3 で挙げた、繰り返すこと、履歴を引き継がないこと、複数のエンジンにまたがることは、この測り方の前提と同じ考え方です。

9-6. この測定が答えない問い

一つ目。この測定でも、AIが実際に発行したファンクエリそのものは見えません(§9-1)。測っているのは結果であって、経路ではありません。 問いの形による違いから経路を推し量ることはできますが、それは推定であって観測ではありません。

二つ目。測って情報を整えたとして、それがAIの回答に反映されるまでにどれだけかかるかは、この測定には含まれていません。 取得と再取得の間隔は提供元ごとに違い、公表されている範囲も一様ではありません。この論点は AI回答に情報がいつまで残るのかを扱う記事で扱っています。

三つ目。AIの回答に出ることが、事業の成果にどう結びつくかは、この測定では分かりません。 測っているのは、AIの回答の中での扱われ方です。そこから先は別の指標の領分です。

測定が答える範囲を広げて書かないことも、設計のうちだと考えています。

10. よくある誤解

表9:よくある誤解と、確認できた記述
よくある理解確認できたこと
AIは必ず問いを分解して探すGoogleの検索ドキュメントは may use。AirOps の観測では8.8%が0本。Claude の公式ドキュメントは、確立した事実や創作は検索せずに答えると書いている
ファンクエリは短い検索であるGoogleの定義に長さの条件は無い。観測された平均は5.48〜7語で、17語の例もある
ファンクエリを一覧にして追えば対策になる繰り返すと多くが入れ替わったというベンダーの観測(Surfer)があり、個人の実務者のブログによる観測(Cachón)も同じ向き。Googleは、変形ごとのコンテンツ作成を、操作が主目的ならスパムの方針に違反すると明記している
本数は決まっている同じ ChatGPT で平均2.17(2025年10月)と7.61(2026年8月)。モデル、時期、収集の方法で数倍変わる
どうせ分解されるのだから、条件の多い問いへの対応は無意味応答は元の問いに向けて組まれる(Google の説明)。ただし、条件がどこまで効くかは公開資料からは確認できない
すべての条件を一つのページに網羅すれば引用されやすいAirOps の観測では、元の問いへの近さをそろえると、小項目の26〜50%を押さえたページが100%のページより引用率が高かった
取得されれば引用されるOpenAIの公式ドキュメントは、取得元の数は引用の数より多いことが多いと書いている。取得されたページの58%は一度も引用されなかった(ベンダーの観測)
検索語を広げるほど見つかりやすくなるクエリ拡張の研究では、強い検索モデルで拡張は概して害になった(ファンアウトそのものの研究ではない)
AI向けの別立てのランキングに合わせる必要があるGoogleのガイドは、生成AIの機能が既存の検索のランキングと品質の仕組みに根ざしていると書いている

五つ目と六つ目は、対になっています。 分解は探しに行く動作についての話であって、答えるべき問いを消すものではありません。一方で、条件をすべて一つのページに書き込めばよいとも言えません。どの条件がどこまで効くかは、測って確かめる対象です。

11. まとめ

クエリファンアウトは、Googleが公式ドキュメントで定義している手法です。 定義に長さの条件は含まれていません。本記事は、そこで生まれる検索を「ファンクエリ」と呼びました。当社が社内で使っている呼び名であり、標準化された用語ではありません。 Googleは「may use」、OpenAI は問いを書き換えることが多い(typically)と書き、Microsoft は指示から数語の検索語を作ると説明しています。実務の前提は、限定の強い記述に合わせるのが安全です。

本数は、一つの数字で言えません。 同じ ChatGPT で平均2.17本(2025年10月)から7.61本(2026年8月)へ変わりました。語数も17語の例があり、短さは定義ではありません。

同じ問いを3回投げて、3回とも同じページが引用されたのは2.3%でした。 これは引用の一貫性であって、ファンクエリの再現率ではありません。ファンクエリそのものは、繰り返すと多くが入れ替わったというベンダーの観測(Surfer)があり、個人の実務者のブログによる観測(Cachón)も同じ向きです(いずれもAPI経由)。変形ごとのページ作成は、操作が主目的ならスパムの方針に違反すると、Googleが名指しで書いています。

取得と引用は別物で、分解や拡張もいつも効くわけではありません。元の問いは応答が向かう先として残りますが、その条件がどこまで効くかは確かめられず、全条件を一つのページに網羅するのが有利とも言えません。

測れるのは、経路ではなく結果です。 条件の少ない問いでの結果は代理指標にとどまります。一回では足りません。 反復の回数、履歴を引き継がないこと、複数のエンジン、言語、問いの設計を固定して、開示してください。

12. よくある質問

Q1. クエリファンアウトとは何ですか。

利用者が投げた一つの問いに答えるために、モデルが関連する複数の検索を同時に作って投げる手法です。Googleの生成AI向け最適化ガイド(最終更新2026年7月10日)が「A set of concurrent, related queries generated by the model to request more information and fetch additional relevant search results to address the user's query」と定義しています。定義に、検索の長さについての条件は含まれていません。

Q2. 「ファンクエリ」は正式な用語ですか。

いいえ。当社が社内で使っている呼び名です。 当社が提唱した語でも、標準化された用語でもありません。提供元の公式文書に出てくるのは「query fan-out」「fan-out queries」です。本記事は、手法と、その手法で生まれる検索を区別するために、後者を「ファンクエリ」と呼んでいます。

Q3. AIは必ず問いを分解するのですか。

いいえ。 Googleの検索ドキュメント(最終更新2025年12月10日)は「may use」と書いています。使うことがある、という書き方です。OpenAI のヘルプ記事も、新しい情報が役立つ問いで自動的に検索することがある(may)、と書いています。観測でも、ChatGPT について8.8%の問いでファンクエリが0本だった(AirOps)、723回の実行のうち36回が検索なしで終わった(個人の実務者のブログによる Cachón の観測。API経由・ブランドについての指示のみ)と報告されています。Claude の公式ドキュメントも、確立した事実や創作については検索せずに答えると書いています。

Q4. ファンクエリは何本くらい出るのですか。

一つの数字では言えません。 同じ ChatGPT を対象にした Nectiv Digital の観測で、平均2.17本(2025年10月)と7.61本(2026年8月・GPT 5.6 Sol)です。AirOps の観測では88.6%がちょうど2本でした。Gemini 3 を対象にした Seer Interactive の観測では、グラウンディングを強制した条件で平均10.7本(範囲3〜28本)です。対象のモデル、時期、収集の方法で、報告される数字は数倍変わります。

Q5. ファンクエリは短い検索のことですか。

定義としては、そうではありません。 Googleの定義は「同時並行の、関連した検索」で、長さの条件を含みません。観測された平均は5.48語から7語で、17語の例も報告されています。短いことが多い報告はありますが、それは観測の傾向であって定義ではありません。

Q6. 想定されるファンクエリごとにページを作るべきですか。

いいえ。 Googleは、人が検索しうるあらゆる変形ごとに別々のコンテンツを作ることについて、ファンアウトの検索を名指ししたうえで、順位や生成AIの回答を操作することが主な目的ならスパムの方針に違反すると明記しています(§7)。実務としても、同じ問いを繰り返すとファンクエリの多くが入れ替わったという観測があり、追いかける対象として揃いません。

Q7. 分解されるなら、条件の多い問いへの対応は要らないのではないですか。

そうとは言えません。 Googleの説明では、ファンアウトの検索は利用者の問いに対処するために作られ、結果は一つの応答にまとめられます。応答が向かう先は元の問いです。ただし、元の問いの条件がどこまで効くかは、公開資料からは確認できません。だからこそ、条件を重ねた問いで自社がどう扱われるかを、実際に測って確かめます。

Q8. すべての条件を一つのページにまとめたほうがよいですか。

確認した出典からは、そうとは言えません。 AirOps の観測では、見出しの元の問いへの近さをそろえて比べると、ファンアウトの小項目の26〜50%を押さえたページが、100%を押さえたページより引用率が高くなっていました。関連する情報どうしの関係が読めることと、それぞれのページが明確な問いに答えていることを確かめてください。

Q9. 自社が取得されたことは、AIの回答に出たことを意味しますか。

いいえ。 OpenAIのWeb検索ツールの公式ドキュメントは「The number of sources is often greater than the number of citations.」と書いています。取得元の数は引用の数より多いことが多い、という意味です。ベンダーの観測では、取得された353,799ページのうち58%が一度も引用されませんでした。

Q10. Search Console でファンクエリは見られますか。

見られません。 Google Search Console の生成AIレポート(2026年8月31日に全サイトへ展開)で見られるのは、AI Overviews と AI Mode での自サイトのURLの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付で分けたものです。利用者の問いは表示されず、したがってファンクエリも表示されません。Bing Webmaster Tools は、AIの回答で参照されたコンテンツの取得に使われた語句を表示しますが、引用されなかった取得は範囲外です。

Q11. 日本語でも同じことが起きていますか。

分かりません。 本記事が引いた観測は、英語またはスペイン語の問いを対象にしたものです。日本語でのファンクエリの本数や語数、入れ替わりを測った一次のデータは、本記事の調査範囲では確認できませんでした。 なお、個人の実務者のブログによる Cachón の観測(スペイン語のブランドについての指示・API経由)では、ファンクエリの8.9%に英語の語彙が使われていました。これは Cachón 単独の観測です。自社で測る場合は、測った言語を必ず記録してください。

Q12. 何から始めればよいですか。

条件の少ない問いと、条件を重ねた問いを、同じ条件で並べて測ることからです(§9-2)。 その二つが割れるかどうかで、立てる仮説が変わります。条件の少ない問いでの結果は、内部のファンアウトで候補に入るかどうかの代理指標にとどまる点に注意してください。一回では読み取れないので、回数を決めて繰り返してください。

13. 出典

  1. Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」最終更新2026年7月10日。クエリファンアウトの定義("A set of concurrent, related queries generated by the model to request more information and fetch additional relevant search results to address the user's query")、芝生の例、検索の変形ごとにコンテンツを作ることと大量生成によるスパムの方針の関係を定めた一文、"Our generative AI features on Google Search are rooted in our core Search ranking and quality systems"、生成AIの機能が関連する画像や動画を取り込めること、ブラウザで動くエージェントが画面の描画(スクリーンショット等)を解析しうること、および Search Console の生成AIレポートを使うよう案内する記述。https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide
  2. Google Search Central「AI features and your website」最終更新2025年12月10日。"Both AI Overviews and AI Mode may use a 'query fan-out' technique — issuing multiple related searches across subtopics and data sources — to develop a response."https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features
  3. Google「Google Search: AI Mode and more from Google I/O 2025」2025年5月20日。"AI Mode uses our query fan-out technique, breaking down your question into subtopics and issuing a multitude of queries simultaneously on your behalf." および Deep Search について "It can issue hundreds of searches, reason across disparate pieces of information, and create an expert-level fully-cited report in just minutes"。https://blog.google/products/search/google-search-ai-mode-update/
  4. Google「Expanding AI Overviews and introducing AI Mode」2025年3月5日。"It uses a 'query fan-out' technique, issuing multiple related searches concurrently across subtopics and multiple data sources and then brings those results together to provide an easy-to-understand response."https://blog.google/products/search/ai-mode-search/
  5. Google「Grounding with Google Search」Gemini API ドキュメント。応答に含まれる google_search_call ステップが、モデルが実行した検索(queries)を含む旨。https://ai.google.dev/gemini-api/docs/google-search
  6. OpenAI「Web search」開発者向けドキュメント。"The number of sources is often greater than the number of citations." および、実行された検索が通常は(ただし常にではなく)応答に含まれる旨。https://developers.openai.com/api/docs/guides/tools-web-search
  7. OpenAI Help Center「Searching the web with ChatGPT」(更新日の明示なし)。"ChatGPT search typically rewrites your query into one or more targeted queries that it sends those providers"、CCR8 の問いから「CCR8 immunotherapy drug development 2025」、さらに具体的な「CHS-114 conference 2025」を送る例、"If memory is enabled, ChatGPT may use relevant saved memories when rewriting a search query"、"ChatGPT may search the web automatically when your question would benefit from current information"。2026年9月28日に、当社の取得環境からは取得できなかったため、ブラウザで表示した本文で確認。https://help.openai.com/en/articles/9237897-searching-the-web-with-chatgpt
  8. Anthropic「Web search tool」開発者向けドキュメント。"Simple factual queries typically use 1–3 searches; comparative or multientity research can use 10 or more." および、どのような場合に検索し、どのような場合に検索せずに答えるかの整理。応答の server_tool_use ブロックに検索の文字列が入る旨。https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/tool-use/web-search-tool
  9. Anthropic「How we built our multi-agent research system」2025年6月13日。サブエージェントの数と呼び出し回数の目安、トークン消費("agents typically use about 4× more tokens than chat interactions, and multi-agent systems use about 15× more tokens than chats.")、および複数エージェント構成が向く領域と向かない領域について。https://www.anthropic.com/engineering/multi-agent-research-system
  10. Microsoft Support「How web search works in Microsoft Copilot Chat and agents」。"Copilot generates a Bing search query using a few words from your prompt or any file you've uploaded."、指示の全体はごく短い場合を除き検索語にしない旨、Web 検索が指示に対してより効果的に推論するためのものである旨、回答の出典の欄で Bing に送った検索語を見られる旨。更新日の記載なし。https://support.microsoft.com/en-us/microsoft-365-copilot/how-web-search-works-in-microsoft-365-copilot-chat-and-agents
  11. Microsoft Learn「Data, privacy, and security for web search in Microsoft Copilot and Microsoft Copilot Chat」2026年8月18日更新。Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称された旨の注記、指示を解析して Web の情報が役立つ語を見つけ検索語を作る旨、"may fetch information from the Bing search service when information from the web helps to provide a better, more grounded response"、生成される検索語は指示から導かれた数語である旨、検索語の例(二つの検索語ができる例と、作られない例)。https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/manage-public-web-access
  12. Microsoft Bing Webmaster Blog「Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools (Public Preview)」2026年2月10日。grounding queries を "Shows the key phrases the AI used when retrieving content that was referenced in AI-generated answers." と説明。https://blogs.bing.com/webmaster/February-2026/Introducing-AI-Performance-in-Bing-Webmaster-Tools-Public-Preview
  13. Microsoft Bing Search Blog「New AI Visibility Insights in Bing Webmaster Tools: Intents, Topics, Citation Share, Compare」2026年6月16日。四つの機能をプレビューとして世界で提供開始した旨、Citation Share を、ある grounding query で表示された全サイトの引用のうち自サイトに帰属する割合と説明。https://blogs.bing.com/search/June-2026/New-AI-Visibility-Insights-in-Bing-Webmaster-Tools-Intents-Topics-Citation-Share-Compare
  14. Google Search Central Blog「Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console」2026年6月3日。表示回数、ページ、国、デバイス、日付を表示する旨。2026年8月31日時点で全世界のすべてのサイトへ展開したとの注記。https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports
  15. Google Search Console ヘルプ「Generative AI performance report (Search)」。AI Overviews と AI Mode での表示回数を、ページ・国・日付・デバイス別に見られる旨。利用者の問いは切り口に含まれない。2026年8月31日に全サイトへ展開した旨。https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=en
  16. ベンダーの観測。Nectiv Digital「New Data Study: What Queries Is ChatGPT Using Behind The Scenes?」2025年10月14日。ChatGPT(モデルの記載なし)を対象に8,500件超の指示・9業種。検索の平均2.17本・最大4本、平均語数5.48・最長12語・5語以上が77%、検索が起きた割合31%、集計値として "Total Number Of Searches: 2,648"。比較として、Semrush の調査に帰属させた米国の Google 検索の平均3.4語。各集計値の分母と単位の明示なし(本文 §3-5)。https://nectivdigital.com/blog/new-data-study-what-queries-is-chatgpt-using-behind-the-scenes
  17. ベンダーの観測。Nectiv Digital「New Research: ChatGPT Tripled It's Fan-Out Queries + Looks For Authoritative Sources」2026年8月13日。前年と同じ指示の一部、約4,000件を GPT 5.6 Sol で測定し、OpenAI の API で抽出。平均7.61本・最大29本・平均6.82語。ファンクエリの64%に「site:」を使った検索、「official」が二番目に多い語、今年と前年の両方の年を入れた検索。https://nectivdigital.com/blog/chatgpt-tripled-fan-out-queries-data-study
  18. ベンダーの観測。Seer Interactive「Initial Research: Gemini 3 Query Fan-Outs」2025年11月21日。Gemini 3 の API で501件の指示、すべての指示でグラウンディングを強制(自然な状態での検索の頻度は分からない旨を明記)。平均10.7本・範囲3〜28本(Gemini 2.5 の平均6.01から78%増)、平均6.7語・範囲2〜17語、17語の例、95%に世界全体での検索ボリュームが無かった旨、21.3%に2024年か2025年、26.4%にブランド名。ChatGPT との比較は同社が別社の観測と比べた記述であり、同一条件での比較ではない。https://www.seerinteractive.com/insights/gemini-3-query-fan-outs-research
  19. ベンダーの観測。AirOps「The Fan-Out Effect: What Happens Between a Query and a Citation」2026年4月13日。ChatGPT(モデルの記載なし)を対象に16,851件の固有の問い・10カテゴリ、各問いを3回で計50,553件の回答、353,799ページを収集(画面からの収集)。88.6%がちょうど2本・8.8%が0本・2.5%が4本以上。引用の一貫性の定義と、3回すべてで引用されたページと問いの組み合わせが2.3%。58%は一度も引用されず25%は出現するたびに引用。検索結果の1番目の引用率58.4%・10番目14.2%(ChatGPT に固有と限定)。見出しと元の問いの近さが内容面の信号として最も強く、元の問いへの近さをそろえると小項目の26〜50%を押さえたページが100%より引用率が高い。ファンクエリの実行間の一致は集計なし。https://www.airops.com/report/the-fan-out-effect-what-happens-between-a-query-and-a-citation
  20. ベンダーの観測。Surfer「AI Search Study: Understanding Keyword Query Fan-out」最終更新2026年9月17日。グラウンディング付きの Gemini を AI Overviews と AI Mode の代わりの観測手段とし、計1,600回の実行。10回の実行で、各回を1回目・直前の回と比べて一致はおよそ27%、66%は一度だけ出現、全回に出たのは0.6%。https://surferseo.com/blog/keyword-query-fan-out-research/
  21. 個人の実務者のブログ。MJ Cachón「A study of query fan-out in ChatGPT using brand searches」2026年8月25日。GPT-5.5 を OpenAI の公式API経由で使用、3社のブランドについての指示189件・計723回の実行・1,797件のファンクエリ。1回の実行あたり平均2.6本(最大13)、平均7語、1回では平均3本未満・4回で異なるファンクエリが一件あたり10.3、723回のうち36回は検索なし、スペイン語の指示でファンクエリの8.9%に英語の語彙。ブランドについての指示のみ、取得を観測したもので引用は観測していない、との限定。https://www.mjcachon.com/en/blog/study-query-fan-out-chatgpt-brand/
  22. Weller, O., Lo, K., Wadden, D., Lawrie, D., Van Durme, B., Cohan, A., Soldaini, L.「When do Generative Query and Document Expansions Fail? A Comprehensive Study Across Methods, Retrievers, and Datasets」arXiv:2309.08541、2023年9月15日投稿/2024年2月26日改訂。11の拡張手法・12のデータセット・24の検索モデル。"expansion improves scores for weaker models, but generally harms stronger models"。https://arxiv.org/abs/2309.08541
  23. Ammann, P. J. L., Golde, J., Akbik, A.「Question Decomposition for Retrieval-Augmented Generation」arXiv:2507.00355、2025年7月1日投稿。マルチホップの問いを対象に、分解とリランクの組み合わせで MultiHop-RAG と HotpotQA において取得(MRR@10)+36.7%、回答の正確さ(F1)+11.6%。https://arxiv.org/abs/2507.00355
  24. Mallen, A., Asai, A., Zhong, V., Das, R., Khashabi, D., Hajishirzi, H.「When Not to Trust Language Models: Investigating Effectiveness of Parametric and Non-Parametric Memories」arXiv:2212.10511、2022年12月20日投稿/2023年7月2日改訂。14,000問のデータセット、10のモデル、4つの拡張手法。"LMs struggle with less popular factual knowledge"、"retrieval-augmented LMs largely outperform orders of magnitude larger LMs, while unassisted LMs remain competitive in questions about high-popularity entities"。https://arxiv.org/abs/2212.10511
  25. プレプリント(査読前)。Sielinski, R.「Quantifying Uncertainty in AI Visibility: A Statistical Framework for Generative Search Measurement」arXiv:2603.08924、2026年3月9日投稿/2026年8月26日改訂(v3)。Perplexity Search、OpenAI SearchGPT、Google Gemini に、三つの商品分野について言語モデルで作った問い各200件を9日間毎日投入。同じ問いへの回答どうしの引用ドメインの重なり(Jaccard 係数の中央値)は Gemini 0.29〜0.31、SearchGPT 0.33〜0.40、Perplexity 0.50(ドメイン単位)。観測期間が約9日であること、問いを言語モデルで作ったことは著者自身が限定として挙げている。https://arxiv.org/abs/2603.08924

本記事の出典のうち7・10・11・25は2026年9月28日に、それ以外は2026年9月23日に、一次情報で直接確認した。出典7は、当社の取得環境からは取得できなかったため、ブラウザで表示した本文で確認した。このほかに1件、確認を試みたが取得が拒否され、原文を確認できなかった。Perplexity の Pro Search のヘルプ記事である。本記事は、この1件に基づく記述を含まない。確認できなかったことを、そのような記述が存在しないことの根拠としても用いていない。出典16が引く Semrush の調査の原データは確認していない。また、日本語でのファンクエリの本数・語数・入れ替わりを測った一次のデータは、本記事の調査範囲では確認できなかった。

Vaipmの視点

Vaipmは、AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定します。名指しで聞く、名前を出さずカテゴリで聞く、競合と並べて聞く、固有の施策名で聞く、の4通りの聞き方で、自社がAIの回答の中でどう扱われているかを記録します。AIが発行した検索そのものではなく、その結果として返る回答を測ります。

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