Q1. 「ロングクエリマーケティング」は正式な用語ですか。
いいえ。実務での言い方です。公式の規格でも標準化された用語でもありません。AIO、GEO、LLMOも用法が一様ではなく、公的な標準規格の名前ではありません。なお、GEOという語については、2024年の国際会議KDDに採択された査読付きの論文があります(§1-1)。
Q2. 検索は長くなったのですか。
一次の情報で言えるのは、米国のAI Modeでの検索が平均で通常の検索の3倍の長さである、というところまでです。同じ記事が、短い問いも長い問いも増えていると書いています。 日本語での提供開始の発表にも「2倍から3倍」という同じ趣旨の説明がありますが、母数は公開されておらず、日本の利用者の実測とは読めません(§2-1)。検索全体が長くなったという一次の証拠は、本記事の調査範囲では見つかりませんでした。また、Googleが測ったのは長さであり、条件の数ではありません。科学文献の検索では、従来型の検索でも問いが長くなり、条件を含む問いが増えたとする観測がありますが、未査読のプレプリントで、一般の検索には広げられません(§2-3)。
Q3. 想定される問いごとにページを作るべきですか。
Googleは、人が検索しうる変形ごとに別々のコンテンツを作ることについて、主として順位や生成AIの回答を操作する目的で行う場合はスパムの方針に違反すると明記しています(§5-2)。利用者の役に立つ別のページを作ること自体が禁じられているわけではありません。本記事は、ページの数ではなく、条件に答える情報があるかどうかを見ることを勧めます。
Q4. AI向けの別のランキングに最適化する必要がありますか。
Googleは、Google検索の生成AI機能が既存の検索のランキングと品質の仕組みに根ざしていると説明しています(§5-3)。既存の検索と完全に切り離された別系統のランキングを前提にする根拠はありません。Google以外のAI製品の内部の方式については、本記事は一般化しません。
Q5. 日本でも同じことが起きていますか。
分かりません。 本記事が引いた数字は、断りのないかぎり米国のものです。日本語で問いの長さを測った一次のデータは、本記事の調査範囲では見つかりませんでした。
Q6. 何から始めればよいですか。
自社の現在の扱われ方を知りたいなら、条件を重ねた問いで自社が出てくるかを、条件を固定して繰り返し測る方法があります(§10-1〜§10-4)。出てこなかった場合も、原因の候補は一つではありません(§10-3)。測定は判断材料の一つであり、ほかの材料と合わせて使うものです(§8-4)。
Q7. Search Consoleの生成AIのレポートで足りますか。
知りたいことによります。Search Consoleでは、AI OverviewsとAI Modeで自社サイトへのリンクが表示された回数を、ページ、国、日付、デバイスごとに見られます。一方で、利用者が入力した問いは表示されず、Google以外のAI製品や、リンクを伴わない名前だけの言及は対象外です。見ているものが違うため、目的に応じて使い分けます(§10-5、§10-6)。
Q8. 声や画像で検索すると、問いが抱える条件は増えるのですか。
一次の情報で言えるのは、GoogleがAI Modeの知見として「米国の検索の6件に1件以上が音声か画像を使う」と書いていること、Gemini Liveでは会話が文字の対話より平均5倍長いこと、までです。前者は、Google検索全体の割合かAI Modeの中の割合かを確定できず、本記事は検索全体の割合としては扱いません。話すときには文になりやすい場合があり、条件が途中で追加されうる、というのは本記事の読み方です。Googleの数字は、問いが抱える条件の数を示すものではありません。長いとされているのも会話であって、ひとつひとつの問いではありません(§3、§3-1)。
Q9. クリックせずに終わる検索は増えたと言えますか。
SparkToroの分析では、米国で2026年1〜4月に行われたGoogle検索の68.01%がクリックなしで終わっています。2024年の値は60.45%ですが、この二つは利用者も端末も異なる別々のパネルの数字で、同じ母集団を追った変化ではありません。Pewの調査では、AIによる要約が表示されたとき、従来の検索結果のリンクがクリックされたのは訪問の8%で、要約が無いときは15%でした。絞り込みが問いの側へ移るという見方は、本記事の仮説にとどまります(§4、§4-1)。
Q10. 「毎日の検索の15%は見たことのない問い」は、条件の細かい問いが多いという意味ですか。
いいえ、そこまでは言えません。この数字が示すのは、問いの表現の多様さが以前から大きかったということです。見たことのない問いになる理由は、条件の組み合わせのほかにも、新しい出来事や新しい語、表記の揺れなど、いくつも考えられます。また、公表値は2019年も2022年も15%で、増加を示す証拠にはなりません(§6-1、§6-2)。
Q11. 自社サイトを、Googleの生成AI機能に出さないようにできますか。
Googleでは、サイト所有者が、自社サイトのリンクと内容をAI OverviewsやAI Modeなどの生成AI機能に含めるか除外するかを、Search Consoleで設定できます。Googleは2026年8月31日に、この設定を全世界のサイトへ展開したとしています。この設定は、検索の他の部分に影響する順位や掲載の信号には使われない、とGoogleは説明しています。自社の情報が生成AI機能に出てこないときは、まずこの設定を確かめる、という順番になります(§5-4)。
Q12. 一度測って自社が出てこなければ、AIに扱われていないということですか。
そうとはかぎりません。生成AIの回答は揺らぎ、同じ問いを同じ日に投げても、返ってくる文は同じになりません。一度出てこなかったことは、出ないことの証明にはならず、一度出てきたことも、出続けることの証明にはなりません。測るときは、反復の回数、過去のやりとりを引き継がないこと、使った製品と測定日、言語、問いの設計などを固定し、記録しておく必要があります。出てこなかった場合も、原因の候補は一つではありません(§10-3、§10-4)。