実務ガイド

ニッチ戦略とAI検索|AIは小さな企業を引用するのか — 分散の観測と偏りの観測から

2026-09-27更新 2026-09-28読了目安 24分

著者: 株式会社Vaigate(AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定するVaipmを運営)

この記事のポイント

ヘッドタームで勝てない企業は、AIの回答のどこに入れるのか。AIの引用は検索1ページ目より上位への集中が弱いという観測と、出典の種類やブランドの言及に偏りがあるという観測を分けて並べ、分散が規模の小さな企業の有利を意味しない理由を示します。ニッチ戦略の古典と検索広告の前例、自社の位置の測り方も解説します。

結論サマリー

ヘッドターム(検索の多い、短く一般的な語)で大手に勝てない企業は、AIの回答のどこに入れるのか。 本記事は、この問いにかかわる観測を二つの向きから並べます。

一つ目の向きは、引用の分散です。GoogleのAI Overviewsの引用は、検索結果の1ページ目より上位のホストへの集中が弱いという測定があります(未査読のプレプリント)。生成AIを使った検索の多くは、通常の検索より人気順位の低いドメインまで引く傾向がある一方で、向きはエンジンによって違う、という査読付きの論文があります。日本語の回答では、上位10ドメインが引用の9.5%にとどまったというベンダーの集計があります。

もう一つの向きは、出典の種類とブランドの言及の偏りです。Web検索を使うGPTは、同じ問いのGoogleより、報道・レビュー・比較サイトといったブランドの外の媒体を多く引いたという研究があります。ブランド名を出さずに人気のコーラを聞くと、主要ブランドの言及が多かったという実験があります。仕様が同じ製品を並べると、有名なブランドがすべて推薦されたという実験もあります(いずれも未査読のプレプリント)。

二つの向きは、同じ指標の表と裏ではなく、証拠の性質も揃っていません(§1-3)。本記事は両方を公平な分量で扱いますが、証拠の強さが同じだという意味ではありません。

本記事の結論は次のとおりです。 AIの引用元が多数のドメインに分散する観測はあります。しかし、企業の規模を単位にした一次データは確認できず、その分散が規模の小さな企業に有利に働いているとは言えません(§5)。主要ブランドの言及や既存の有名ブランドの推薦が多かった実験も、企業の規模そのものを測ったものではなく、 大手に有利だと結論づけることもできません。

本記事が言えるのは、入る余地がありうる場所と、その余地を確かめる方法までです。ニッチ戦略の古典(Porterの集中戦略、Carrollの資源分割モデル)は枠組みにはなりますが、AIの回答で確かめられた理論ではないため、類推として分けて書きます。

この記事で分かること

  • ニッチ戦略の古典二つが、何を言っていて、何を言っていないか
  • AIの回答の引用が散っているという観測と、それぞれが何を単位に数えているか
  • 出典の種類やブランドの言及に偏りがあるという観測と、それぞれの実験の条件
  • 引用が散っていることが、小さな企業の有利を意味しない理由
  • 検索広告で、検索数の少ない語について先に観測されていたこと
  • 供給側として入る余地を考えるときの整理と、約束できないこと
  • 自社がどの問いで、どの位置に入っているかを測る手順と、その測定では分からないこと

対象読者

中堅・中小企業の経営者と、マーケティングの担当者を想定しています。「業界の代表的な語では大手に勝てない。では、AIに聞かれたときに自社が出てくる余地はあるのか」という問いを、伝聞ではなく出典の数字で確かめたい方に向けた記事です。

最初に置く数字

  • 日本語の回答で、上位10ドメインが引用に占めた割合は9.5%でした(株式会社プリンシプルの集計。2026年5月時点、ChatGPTとPerplexityの回答に表示された引用URL116,966件。LLMO対策の支援を提供するベンダーによるもの)。
  • ブランド名を出さずに人気のコーラを聞いた実験では、回答で言及されたブランドのうち主要ブランドの割合がChatGPTで56.3%、Perplexityで67.9%でした。ニッチ/インディーのブランドは12.3%と5.8%です(Chenほか、未査読のプレプリント。ブランドの分け方は著者の一覧によるもので、企業規模の分類ではありません)。

二つは、別の言語、別の時期、別の単位の数字で、並べて大小を比べる数字ではありません。引用の分散と、言及の偏りが、別々に観測されている。 その事実として置きます。

1. 問いを分ける — 「入れるか」と「得をするか」は別の問い

1-1. 本記事の範囲

本記事は、ロングクエリマーケティングとはを親とする各論の一つです。親記事は、条件の多い問いがAIの回答の入口に届く場面について、別々の観測を並べました。本記事はその中から、答える側、つまり情報を出す企業の側の戦略を扱います。

検索と回答の分布そのものはロングテールとロングクエリの違いで扱い、本記事では供給側に必要な範囲に限ります。

1-2. 三つの問い

「AIは小さな企業を引用するのか」という問いは、実際には三つの問いを含んでいます。

表1:本記事が分けて扱う三つの問い
問い本記事の答え章
AIの回答の引用は、上位の少数のサイトに集中しているか検索結果の1ページ目より集中が弱い、という観測がある§3
規模の小さな企業のページや名前が、AIの回答に出ることはあるか直接には分からない。人気順位の低いドメインや、ニッチ/インディーのブランドが回答に現れる観測はあるが、企業の規模を測ったデータではない§3、§4、§7
規模の小さな企業は、AIの回答で得をしているかそう示す観測は、本記事の調査範囲には無い。主要ブランドの言及や既存ブランドの推薦が多い実験はあるが、それも企業の規模を測ったものではない§4、§5

一つ目に「はい」と答えられても、三つ目に「はい」とは言えません。本記事の中心は、この二つの間にある距離です。

1-3. 何を単位に、どの水準の証拠で数えているか

本記事が引く観測は、数える単位も、証拠の性質もそれぞれ違います。

表2:観測ごとの、数える単位と証拠の性質
観測数える単位証拠の性質章
Xuほか(AI Overviewsの測定)ホスト名(例:www.youtube.com)査読中のプレプリント§3-1
Kirstenほか(生成AIを使った検索の比較)ドメインと、アクセス上位リストでの順位査読付きの国際会議の論文集(ACL 2026 Findings)§3-2
プリンシプル(日本語の回答の集計)ドメインベンダーの調査§3-3
Chenほか(媒体の種類、コーラの実験)媒体の種類(ブランド自身・ブランドの外の媒体・ソーシャル)と、回答で言及されたブランド未査読のプレプリント§4-1、§4-2
Ahrefs、Pew、DeltaV DigitalURLの重なり、特定サイトの割合、引用の種類ベンダー、調査機関、代理店§3-2、§4-4
Chu・Hou(既存ブランドの優位)推薦されたブランド(候補のリストを問いの中で渡す)未査読のプレプリント§4-3

企業の規模を単位にした観測は、この中にありません。 プレスリリースの配信サイトや記事の投稿サイトのように、一つのドメインの上には多くの企業の情報が載りえます。ドメインの数え方からは、引かれた情報が大きな企業のものか小さな企業のものかは分かりません。ブランドの「ニッチ」も、知名度や位置づけの分類であって、企業規模の分類ではありません。

そして、§3と§4は同じ指標の表と裏ではありません。§3はホストやドメインの散らばりを、§4は媒体の種類、ブランドの言及、推薦の選択を測っています。 一つの軸の上で「分散が勝つか、集中が勝つか」を比べているのではありません。

2. ニッチ戦略の古典 — 何を言い、何を言っていないか

2-1. Porterの集中戦略

マイケル・ポーター(Michael E. Porter)は、1980年の『Competitive Strategy』(Free Press)の第2章で、競争の基本戦略を扱いました。1985年の『Competitive Advantage』(Free Press)の第1章では、その一つである集中(focus)を、業界の中で狭い競争の範囲を選ぶこととして説明しています。集中する企業は、業界の中のあるセグメント、またはセグメント群を選び、そこに仕える形に戦略を合わせます。集中には二つの形があり、選んだ範囲の中で費用の優位を求める形と、差別化を求める形です。

本記事の論点に効くのは、どこで競うかを選ぶこと自体が戦略である、という一点です。

言っていないこと。 この定義は、狭い範囲を選ぶこと自体が優位を生むとは述べていません。選んだ範囲の中で、費用か違いのどちらかの優位を求める形として定義されています。そしてもちろん、AIの回答について書かれたものではありません。

なお、本記事は原典の本文を確認できていません。書誌は図書館目録で、集中戦略の定義の文言は、原典の章と頁を典拠として示した大学の解説ページで確認しました(出典一覧に記載)。

2-2. Carrollの資源分割モデル

社会学者のグレン・キャロル(Glenn R. Carroll)は、1985年に『American Journal of Sociology』(第90巻第6号)に論文を発表しました。この論文は、大きく汎用的な組織だけを見る分析から離れ、新聞の業界を例に、地域の市場の集中が高く見えるのに、多くの小さく専門的な組織がうまく営業していることを示しました。その関係を説明するために資源分割(resource partitioning)のモデルを提示し、米国の地方紙2,808社の歴史的なデータで検定しています。

キャロル自身が共著者と2002年にまとめた論考は、この理論を次のように整理しています。

  • 市場の資源は均等ではなく、最も厚い「中心」がある
  • 規模の優位が強いとき、汎用的な大きな組織は中心で規模を競い、勝った側がさらに大きくなって中心を占める
  • 専門的な組織は、汎用的な組織が標的にしている範囲の外に、成り立つ位置を見つける。そこは資源が薄いので、専門的な組織は小さいことが多い
  • 市場の集中が高まるほど、専門的な組織に開かれた資源の範囲は広がる(同論考の「専門組織の空間」の仮説)
  • 資源の次元が増えるほど、専門的な組織に開かれた範囲は広がる(同論考の「資源の次元」の仮説)

同論考は、資源分割を生む仕組みとして、立地、個別の対応(カスタマイズ)、大量生産を嫌う文化的な感情、地位を示す消費の四つを論じています。

言っていないこと。 これは、資源の分布の形や規模の優位といった一定の条件のもとで成り立つ、という理論です。どの市場でも大手が強くなれば小さな組織に余地が生まれる、という話ではありません。同論考は、この理論を「理論の断片」と呼んでいます。

2-3. AIの回答に当てはめる前に — 類推であって、検証ではない

ここからは、本記事の類推です。二つの古典をAIの回答に置き換えると、次のように読めます。

表3:古典の要素と、本記事の類推
古典の要素AIの回答に置き換えると(本記事の類推)確かめられていること
市場の中心(資源の最も厚いところ)検索の多い、一般的な問い(ヘッドターム)人気を聞く問いで主要ブランドの言及が多かった実験がある(§4-2)
汎用的な組織の標的の外条件が組み合わさった問い条件の多い問いについては親記事で整理した。そこで小さな企業が出るかを確かめた一次データは見つからなかった
資源の次元が増えると、専門の余地が広がる条件の種類が増えると、組み合わせの数が増えるAIの回答で確かめた研究は、本記事の調査範囲では見つからなかった
セグメントを選び、その中で優位を求める(集中)自社が実際に違う条件を選び、そこで答える情報を持つAIの回答で確かめた研究は見つからなかった

表の右の列のとおり、 類推の多くは確かめられていません。

そして、類推が崩れうる点が一つあります(本記事の分析)。資源分割のモデルでは、規模を競う汎用的な組織が中心へ寄ることで、その標的の外に専門的な組織の資源の範囲が開きます。AIの回答で、大手の情報が同じように中心の問いに限られるのかは分かりません。回答を組み立てるのはAIで、大手の既存のページや評判が細かい問いへの回答に引き込まれることもありえます(§4-3)。標的の外が開く構造がAIの回答でも成り立つかは、確かめられていません。

3. 分散の観測 — 引用は、上位に集まりきっていない

3-1. Xuほか — AI Overviewsの引用は、1ページ目より上位への集中が弱い

Xu、Iqbal、Montgomeryは、2026年3月13日から4月21日までの40日間に、19カテゴリーの55,393件のトレンドの問いをGoogleに投げ、AI Overviewsを測定しました(arXiv 2605.14021、2026年5月13日投稿。査読中のプレプリント)。

AI Overviewsの引用で上位5ホストが占めた割合は20.0%、同じ問いの検索結果1ページ目では39.1%でした。論文は、引用の形を「集中ではなく広がり」と表現しています。数字の全体と、広報の立場からの読み方はAIは何を見て自社を語るのかを扱う記事で扱っているので、本記事では供給側に効く点だけを取り出します。

一つ目。40日間の全クエリを通じて、ちょうど1回だけ引用されたホストは4,212で、引用されたホスト全体の56.3%でした。 裾は長い、ということです。ただし、これは55,393件の異なる問いを横断した集計です。 そのホストにかかわる問いが一度しか含まれていなかった可能性もあり、同じ問いで出続けるかどうかは、この数字からは分かりません。持続性については、§3-2の再実行のデータを見てください。

二つ目。上位のホストは、個別の企業ではなく大きな場でした。 上位5つは、youtube.com(5.49%)、en.wikipedia.org(4.39%)、facebook.com(3.68%)、instagram.com(3.65%)、usatoday.com(2.80%)です。

三つ目。本記事が確認した範囲で、論文は、引用が規模の小さな発信者に有利に働いているかどうかを分析していません。 同じ論文は、AI Overviewsが引いたドメインの信頼性の点数が、同じ画面の1ページ目の結果より高かったとも報告しています。

四つ目。問いはトレンドの問いで、 中堅・中小企業が聞かれる問いとは中身が違いえます。

3-2. Kirstenほか — 人気順位の低いドメインまで引く傾向と、エンジンによる違い

Kirstenほかは、Googleの通常の検索と、Google、OpenAI、Perplexityの生成AIを使った検索(AI Overviews、Gemini、GPT-4o Search、検索を道具として使うGPT-4o、Perplexity Sonar)を比べました。本記事が引く観測のうち、査読付きの国際会議の論文集に載ったものはこれだけです(ACL 2026 Findings)。問いは英語の4,706件で、2025年7〜9月に米国とドイツから投げています。

引いたドメインの人気は、アクセスの多いドメインの順位表(Tranco)で測っています。上位100万ドメインに入っていた割合は、通常の検索が89%、AI Overviewsが85%、検索を道具として使うGPT-4oが81%でした。上位1,000ドメインに限ると、通常の検索が38%、AI Overviewsが34%です。AI Overviewsが参照したドメインのうち、平均で53%は通常の検索の上位10件に、27%は上位100件に含まれていませんでした。

差は数ポイントです。そして、向きはエンジンによって違います。 検索を道具として使うGPT-4oは、引く件数は少ないものの、引いたドメインの順位の中央値は1,124で、通常の検索の2,352より人気の高い側でした。論文自身も、エンジンの間の大きな違いを主な結果の一つにしています。

同じ論文は、同じ問いを約2か月空けて2回投げたとき、AI Overviewsが引いたページで両方に共通したのは18%で、通常の検索の45%より低かったと報告しています。§3-1の「1回だけ」とは違い、これは同じ問いを繰り返した持続性のデータです。

ベンダーのAhrefsの集計(2025年8月11日公開。同社のツールで集めた15,000の問い)でも、ChatGPT、Gemini、Copilot、Perplexityが引いたURLのうち、同じ問いのGoogleの上位10件に入っていたのは平均で約12%でした。AI Overviewsの引用は、同社の2025年7月の調査で約76%が上位10件のページ、2026年3月の更新で約38%です。通常の検索との重なりは、エンジンと時期で大きく違います。

供給側に効くのは二点です。通常の検索の上位に入っていないことは、AIの回答に出ないことを意味しない。 そして、一度引かれたことは、同じ問いで引かれ続けることを意味しない。

3-3. 日本語の回答 — 上位10ドメインで9.5%

日本語の回答については、株式会社プリンシプルの集計があります(2026年6月18日公開、9月17日更新)。LLMO対策の支援を提供しているベンダーによるものです。

同社は、Ahrefsが日本市場で定期的にChatGPTとPerplexityに投じている標準プロンプトの応答データ(5,366問、ChatGPT 4,860件・Perplexity 5,140件)から、表示された引用URL116,966件を集計しました。2026年5月時点のデータです。引用されたドメインは28,803で、上位10ドメインの合計は9.5%、上位500ドメインまで広げても約40%でした。 引用が1回だけのドメインは17,088で、全体の59.3%です。

上位のドメインは、ChatGPTではprtimes.jp、note.com、youtube.com、ameblo.jpなど、Perplexityではyoutube.com、wikipedia.org、note.com、weblio.jp、chiebukuro.yahoo.co.jpなどでした。ChatGPTとPerplexityの上位10に共通するのは3ドメインだけです。同社は、相関は因果ではない、と断っています。

ここでも、上位は大きな場です。 プレスリリースの配信サイトや記事の投稿サイトには、規模の小さな企業の情報も載ります。しかしドメインで数えると、それらは一つの上位ドメインにまとまります。この集計からは、小さな企業の情報がどれだけ引かれたかは、多いとも少ないとも言えません。

3-4. Google自身の説明

Googleも、2024年5月14日の記事でAI Overviewsによって人々が「a greater diversity of websites」を訪れていると書き、2025年5月21日のSearch Centralのブログで、AI Overviewsが「a wider range of sources」を示すと書いています。製品を運営する会社自身の説明で、算出の方法は示されておらず、 企業の規模の話でもありません。

4. 別の向きの観測 — 出典の種類とブランドの言及には偏りもある

§1-3のとおり、この章の観測は§3と同じ指標の裏側ではありません。測っているのは、媒体の種類、ブランドの言及、推薦の選択です。そして三件とも未査読のプレプリントです。§3と同じ分量で扱いますが、証拠の強さが同じだという意味ではありません。

4-1. Chenほか — Web検索を使うGPTは、ブランドの外の媒体を多く引いた

Chen、Wang、Chen、Koudasの論文(arXiv 2509.08919、2025年9月10日投稿。未査読のプレプリント)は、ChatGPT、Perplexity、Gemini、ClaudeといったAIの検索を扱っています。媒体は、ブランド自身のサイト、報道・レビュー・比較サイトといったブランドの外の媒体、ソーシャル(掲示板や動画など)の三つに分けています。

ここで引く数字は、そのうち、GoogleとWeb検索を使うGPTを、同じ意図の問いで地域・分野別に比べた実験のものです。 他のAIの数字ではありません。

家電の順位を聞く問いで、米国ではGPTが引用したドメインの92.1%がブランドの外の媒体でした。カナダでは77.6%で、同じ問いのGoogleは54.1%です。ソフトウェアの問いでは、カナダのGoogleはブランド自身のサイトが53.8%だったのに対し、GPTでは25.8%でした。論文は全体の結論として、AIの検索がブランド自身の媒体やソーシャルより、ブランドの外の媒体へ「systematic and overwhelming」に偏っていると書いています。

限定があります。 分類は著者たちが作ったもので、著者自身が絶対値は傾向を示す例として読むべきだと断っています。データは2025年8月のものです。謝辞では生成AIの検索への最適化を手がける事業者への謝意が述べられ、論文の後半はその種の継続的な支援の必要を論じています。

供給側に効くのは、自社のサイトだけで完結しない、という点です。 自社について書かれた外部の記事が無ければ、この実験でGPTが多く引いた種類の出典に、自社の情報が載りません。

4-2. Chenほか — コーラの実験:引用は散っても、言及は主要ブランドに寄る

同じ論文には、本記事の問いに直接かかわる実験があります。ブランド名を出さずに「最も人気のあるコーラ」「世界で最も売れている炭酸飲料」のように聞く50の問いを、ChatGPTとPerplexityに投げ、回答の中で言及されたブランドを数えたものです。ブランドは、著者たちが作った一覧で「主要(major)」と「ニッチ/インディー(niche/indie)」に分けています。後者の説明は、小さなクラフトや地域のブランドです。売上や従業員数による企業規模の分類ではありません。

表4:コーラの実験で言及されたブランドの内訳(Chenほか・未査読)
主要ニッチ/インディーその他
ChatGPT(言及487件)56.3%(274件)12.3%(60件)31.4%(153件)
Perplexity(言及499件)67.9%(339件)5.8%(29件)26.3%(131件)

注目してほしいのは、引用の側との食い違いです。 ChatGPTはWikipediaに引用の約19.7%を頼る、比較的集中した引き方でした。Perplexityは引用を長い裾に広げ、上位以外の「その他」が約60.6%を占めました。それでも、主要ブランドの言及が多かったのはPerplexityのほうでした。

引用元の分布と、回答の中でどのブランドが多く言及されるかは、別のことです。この実験は、その二つが食い違いうることを示しています。 なお、この実験が数えたのは言及であって、推薦の選択そのものではありません。推薦の選択は、§4-3の別の実験が測っています。

ただし、問いの設計に注意が要ります。 「最も人気のある」と聞けば答えが主要ブランドになるのは、問いの性質でもあります。本記事の読み方では、この実験は「ヘッドタームの問いは、ヘッドのブランドの言及に向かう」ことを示すもので、§2-1の古典の含意と矛盾しません。

同じ論文の別の実験では、AI同士の回答の一致が、よく知られたブランドの問いで76〜81%、ニッチなブランドの問いで71〜76%でした。ここでのニッチも知名度の分類です。

4-3. Chu・Hou — 既存ブランドの優位は、条件つき

ChuとHouは、スキンケア製品を題材に、AIの推薦でブランドがどう競うかを実験しました(arXiv 2606.17443、2026年6月16日投稿、8月21日改訂。未査読のプレプリント)。モデルはGPT-4o-mini、Claude Sonnet、Gemini 3 Flashです。

実験の形を先に書きます。 AIにウェブを検索させてはいません。10個の製品を並べたリストを問いの中で渡し、その中から推薦させています。10個のうち実在のブランドは1つで、残り9つは架空のブランドです。

結果は三つあります。

一つ目。仕様がすべて同じなら、実在の有名なブランドが100%推薦されました。 論文はこれを「条件つきの独占」と呼んでいます。ただし、リストの中で競合の星の評価が、4.3と4.4の差より小さい分だけ高いだけで、この優位は消えました。 論文は、USB-Cケーブルと単三電池でもこの実験の一部を繰り返し、仕様が同じときに有名ブランドがすべて推薦される結果は同じように現れた、としています。

二つ目。権威めいた売り文句も、この独占を崩しました。 その中には、作られた臨床の根拠の主張が含まれています。

三つ目。すべてのブランドが同じ最適化をすると、一つのブランドが得る見返りは、論文の指標で+0.802から+0.007へ下がりました。 最適化に加わらなかったブランドは、この実験では一度も推薦されませんでした。二つ目と三つ目の実験は、ケーブルや電池では試されていないと論文は断っています。

供給側への含意を、本記事の読み方として三つ書きます。

  • 何も違いが無ければ、名前の知られた側が取る。
  • リストの中に明示された、評価の小さな差が結果を変えた。 差の真偽が確かめられたわけではなく、情報を直接渡す実験の話です。ウェブを検索する実際の回答で同じことが起きるかは分かりません
  • 二つ目の結果を、手順として勧めません。 自社の情報に根拠の無い主張を書くことは、本記事の手順に含めません

そして、競合はすべて架空の会社です。 実在の中堅・中小企業の名前がどう扱われるかを測ったものではありません。

4-4. 上位の大きな場への偏り

§3の観測の中にも、偏りは見えています。上位のホストやドメインは、動画、百科事典、ソーシャル、大手の報道、プレスリリースの配信や記事の投稿の場でした(§3-1、§3-3)。検索を道具として使うGPT-4oは通常の検索より人気の高いドメインを引き(§3-2)、AI Overviewsが引いたドメインは信頼性の点数が1ページ目より高めでした(§3-1)。

調査機関のPew Research Centerの米国の調査(2025年7月22日公表)では、AIの要約の引用元の15%をWikipedia、YouTube、Redditの三つが占め、政府のサイト(.gov)は6%、報道サイトへのリンクは要約の5%でした。この15%は特定の三つのサイトの割合で、分布全体の集中度の指標ではありません。 通常の検索結果でも、この三つは17%でした。

代理店のDeltaV DigitalがPeec AIというツールで顧客8ブランドについて集めた引用(2026年7月13日公表、上位30件のURLのみ)では、引用の種類は記事23.7%、ランキング形式の記事19.6%、製品ページ16.3%などに分かれ、Redditは8ブランド中7ブランドで上位の引用元に入りました。裾は長いが、頭も太い。

5. 「分散している」は「小さな企業が有利である」を意味しない

ここが、本記事の中心です。

表5:分散の観測から言えること、言えないこと
言えること言えないこと
AI Overviewsの引用は、1ページ目より上位5ホストへの集中が弱い規模の小さな企業の引用が増えた
40日間の全クエリを通じて1回だけ引用されたホストが、引用されたホストの56.3%その多くが小さな企業のサイトである。同じ問いで出たり消えたりしている
日本語の回答で、上位10ドメインは引用の9.5%残りの90%余りが中小企業のサイトである
生成AIを使った検索の多くは、人気順位の低いドメインまで引く傾向がある人気の低いドメインが優先される。どのエンジンでも同じである
Googleは、AI Overviewsがより幅広い出典を示すと説明している規模を問わず、同じように届く

理由は五つあります。

一つ目、単位が違う。 散っているのはホストやドメインで、企業ではありません(§1-3)。

二つ目、持続性は別のデータで見る必要がある。 1回だけ引かれたホストが多いという数字は、多くの異なる問いを横断した集計で、同じ問いで出続けるかを示すものではありません。同じ問いを繰り返したデータでは、約2か月空けるとAI Overviewsが引いたページの共通は18%でした(§3-2)。裾に一度入ったことは、そこに留まることを意味しません。

三つ目、引用とブランドの言及は別のことである。 コーラの実験では、引用を広く散らしたAIのほうが、主要ブランドの言及が多くなりました(§4-2)。回答の中で名前を挙げられるかは、引用の分布だけからは読めません。

四つ目、問いの集合が違う。 分散の観測はトレンドの問い、英語の問い、ツールの標準プロンプトのもので、自社の顧客の問いで同じ分布になるかは分かりません。

五つ目、割合は小さい。 本記事の計算ですが、Xuほかの論文では、上位100ホスト以外の約43%の引用が7,379のホストに分かれています。単純に割ると、一つのホストあたり平均で約0.006%です。裾に入ったことは、それだけで大きな取り分を意味しません。

したがって、本記事の答えは結論サマリーのとおりです。分散を小さな企業の有利と読まず、主要ブランドや既存ブランドに寄った実験を大手の有利とも読みません。 どちらも、企業の規模そのものを測ったものではないからです。

6. 検索広告で先に起きていたこと

検索数の少ない語をめぐる経済は、AIの回答より前に、検索広告で観測されていました。ここでは、一次で確かめられた範囲だけを書きます。

6-1. 人気の低い語で検索する人は、よくクリックした

Jerath、Ma、Parkは、韓国の大手検索エンジンの利用者ごとのクリックの記録を分析しました(『Journal of Marketing Research』第51巻第4号、2014年)。同じ研究の作業論文版によると、分析したのは150万件を超える検索です。

クリックは全体として少なく、自然検索の結果に集まっていました(クリックの約95%)。そのうえで、検索数の少ない語で検索した場合ほど、1回の検索あたりのクリックが多く、広告のクリックの割合も高くなっていました。著者たちはこれを、人気の低い語で探す人は情報探しにより力を使っており、購入に近い、と解釈しています。

限定があります。 著者たち自身が、クリックの後に購入したかどうかのデータは持っていない、と書いています。「購入に近い」は、クリックの行動からの解釈です。データは韓国の一つの検索エンジンのもので、生成AIが検索に入る前のものです。

6-2. 語の細かさは、場を運営する側が決める

Googleの広告のヘルプは、「Low search volume」を、Googleで検索の履歴がほとんど、または全く無い語に付く状態と定義しています。その語は、検索が増えるまで広告を出す働きをしません。

同じヘルプは、完全一致でも「同じ意味や同じ意図の検索」に、部分一致では語の直接の意味を含まない関連した検索にも広告が出うると説明しています。語の合わせ方は、文字列そのものではなくなっています。

6-3. AIの回答に持ち込めること、持ち込めないこと

本記事の読み方として、二つだけ書きます。

持ち込めそうなこと。 細かい語ほど一つひとつの需要は小さいが、そこで探す人は動きが深い、という観測がありました。そして、語をどこまで細かく扱うかは、場を運営する側が決めてきました。Googleが変形ごとのコンテンツ作りをスパムの方針と結びつけているのも(§8-4)、同じ向きに読めます。

持ち込めないこと。 人気の低い問いで答えを得た人ほど購入に近い、という観測は、AIの回答については見つかりませんでした。

7. 反証 — 本記事の読み方が弱いところ

ここを飛ばして読まないでください。

表6:反証と、その出所
反証内容出所
企業の規模で数えた一次データが無いどの観測も、ホスト、ドメイン、媒体の種類、ブランドの言及や推薦で数えている。小さな企業が引かれたかは、どれも直接には示していない確認できず
分散と偏りは同じ指標ではない散らばりを測った観測と、媒体の種類・言及・推薦を測った観測は、一つの軸の上で比べられない本記事の整理(§1-3)
分散の観測の多くは英語で、日本語はベンダーの1件Xuほかはトレンドの問い、Kirstenほかは英語の問い。日本語の集計は、LLMO対策を提供するベンダーのもの査読中/査読付き/ベンダー
偏りの実験は、実際の条件と違うコーラの実験は人気を聞く問いで、数えたのは言及。スキンケアの実験は、製品リストを直接渡し、競合は架空未査読のプレプリント
古典は、AIの回答で確かめられていない資源分割のモデルは新聞などの組織の数の研究。集中戦略は企業の戦略の枠組み本記事の類推
検索広告の観測は古く、場も違う韓国の一つの検索エンジン。購入のデータは無い査読付き論文
回答そのものが揺れる約2か月空けると、AI Overviewsが引いたページで共通したのは18%査読付きの論文集

表の「出所」は、出所の種類です。証拠の強さの順位ではありません。

一つ目は、本記事の問いに直接かかわる反証です。「AIは小さな企業を引用するか」に直接答える一次データを、本記事は見つけられませんでした。 無いと断定するものではありません。見つけられなかった、という記載です。

二つ目から四つ目は両方の側にかかります。どちらか一方だけを引いて結論を出すことはできません。

7-1. 反証を並べて、何が残るか

残るのは、引用が散っている観測と、出典の種類や言及、推薦に偏りがある観測が、別々にあること、そして両方が企業の規模とは別の単位で測られていることまでです。

本記事は「小さな企業にとってAIは好機だ」とも「AIは大手のものだ」とも書きません。どちらを書く根拠も持っていないからです。 残るのは、自社の場合を測ることです(§9)。

8. 供給側として、入る余地を考える — 本記事の整理

ここからは、ここまでの観測をもとにした本記事の整理です。どれも、AIの回答に出ることを約束するものではありません。

8-1. 中心で争うか、条件の組み合わせで答えるか

コーラの実験では、人気を聞く問いで主要ブランドの言及が多くなりました(§4-2)。業界の代表的な語で、大手と同じ問いに同じ答えを出しても、選ばれる理由を作りにくい。これは§2の二つの古典とも向きが合います。

自社が実際に違う条件はどこかを先に決めることです。対象の顧客、地域、用途、規模、納期。その条件の組み合わせで聞かれたときに、答えられる情報を持っているか。ただし、§2-3のとおり、その余地が大手の既存の情報で埋まらないとはかぎりません。

8-2. 自社のページだけで完結しない

Web検索を使うGPTは、ブランド自身の媒体より報道・レビュー・比較サイトを多く引いていました(§4-1)。自社のサイトに書いたことが、そのまま出典になるとはかぎりません。

Googleの生成AI向けの最適化ガイドは、Merchant CenterやGoogleのビジネスプロフィールを使うことが、製品やサービスをAIの回答と他の検索結果の両方で見えるようにする助けになりうる(can help)と書いています。「助けになりうる」であって、保証ではありません。

8-3. 違いは、確かめられる形で書く

スキンケアの実験では、リストの中に明示された評価の小さな差が、有名ブランドの優位を消しました(§4-3)。ただし差の真偽は確かめられておらず、作られた主張も推薦を動かしました。違いを確かめられる形で書くのは、実験の結論ではなく本記事の方針です。

Googleは2025年5月のブログで、「unique, non-commodity content」、つまり他と置き換えのきかない中身に注力するよう書き、最適化ガイドでは、自分の知識と深い経験をもとに自分で書くよう勧めています。

違いは、主張ではなく中身で示すことです。 数字、条件、手順、実際の経験。

8-4. ページの数ではない

Googleの同じガイドは、人が検索しうるあらゆる変形ごとに別々のコンテンツを作ることを、主として順位や生成AIの回答を操作する目的で行う場合、大量生成によるスパムの方針に違反すると明記しています。例として、ファンアウトで生まれる検索を名指ししています(クエリファンアウトを扱う記事で詳しく扱っています)。

条件の組み合わせで答えることは、組み合わせごとにページを作ることではありません。 条件に答える中身が、実際にあるかどうかの話です。

8-5. 約束できないこと

表7:本記事の整理が約束しないこと
整理約束しないこと
自社が違う条件を選び、そこに答える情報を持つその条件の問いで、AIの回答に出ること
自社の外の媒体に、自社の情報が載っている状態を作るその媒体が引かれること
違いを確かめられる形で書く大手と並んだときに選ばれること

回答は揺れ、どのAIに聞くかで割れ、実験の条件は実際と違います。だから最後に、測ることになります。

9. 測定 — 自社は、どの問いで、どの位置に入っているか

§5と§7のとおり、一般の観測からは自社の場合が分かりません。ここからは、読者が自社で試せる一般的な手順です。当社の製品の機能を説明するものではなく、当社の測り方は§9-6に分けて書きます。条件の固定と記録の一般的な手順は親記事に詳しく書いたので、この章では、入る位置と、数える単位という本記事の主題に固有のことを厚くします。

9-1. 測る前に、単位を決める

§1-3で見たとおり、一般の観測は企業の規模を単位にしていません。自社で測るときは、何を数えるかを先に決めます。

表8:自社で測るときの単位
数えるもの分かること分からないこと
自社の名前が回答の本文で言及されたか回答の中で名前を挙げられたか何を根拠に挙げられたか
自社のサイトが引用されたか自社の情報が出典として使われたか名前が本文に出たかどうか
自社について書いた外部のページが引用されたかブランドの外の媒体を通じて届いているか(§4-1)その媒体の書き方が正しいか(本文を読まないと分からない)
推薦の対象に入ったか候補として勧められたか。言及や引用だけか勧められた理由の正しさ

三つ目と四つ目を落とさないでください。 自社のサイトが引用されていなくても、外部の記事を通じて名前が挙がっていることがあります。逆に、引用はされていても推薦には入っていないことがあります。コーラの実験が示したのは、引用の分布と言及の偏りが食い違うことでした(§4-2)。

引用は、ドメインではなくURLと書き手で記録してください。 §3-3のとおり、プレスリリースの配信サイトや記事の投稿サイトは、ドメインで数えると一つの大きな場になります。自社が出したプレスリリースが引かれていても、ドメインだけでは「大きな場が引かれた」としか残りません。誰が書いたページかまで残すと、自社の情報が届いたかが読めます。

9-2. 問いを、二つの側から組む

表9:組む問いと、読み取ること
問い例読み取ること
業界の代表的な問いその分野で定番の会社はどこか中心の問いで、誰が挙がるか。自社が挙がらないのは、§4-2の実験から見て自然でありうる
自社が違うはずの条件を重ねた問い業種、地域、規模、用途、納期などのうち、自社が実際に違う条件を組み合わせる選んだ条件の組み合わせで、自社が挙がるか。挙がらないとき、誰が挙がるか
大手と並べた問い自社と大手の名前を出して、条件に合うのはどちらかを聞く並んだときに、自社の違いが回答に書かれるか

一つ目と二つ目の差が、この章の核心です。 代表的な問いでは挙がらず、条件を重ねた問いでは挙がるなら、条件の組み合わせのところに余地がある、という仮説が立ちます。どちらでも挙がらないなら、条件に答える情報が無いか、届いていないか、大手の情報で埋まっているか。どれに当たるかは、引用元を見るまで分かりません。

いずれも仮説であって、原因の確定ではありません。 条件を一つずつ足して測る手順は、親記事の「条件を一つずつ足して測る」の節にあります。

9-3. 入った位置を読む

出てきたかどうかだけでは、「どこに入ったか」は分かりません。本記事の主題に合わせて、次の三つを分けて記録します。

  • 本文のどこに出たか。 条件に合う例として名前を挙げられたのか、候補の一覧の中の一つか、大手と比べられて不利な書かれ方をしたのか
  • 何の問いで出たか。 代表的な問いか、条件を重ねた問いか、大手と並べた問いか(§9-2)
  • 誰の情報を通じて出たか。 自社のページか、自社について書いた外部のページか、大きな場の上の投稿か(§9-1)

同じ「出た」でも、条件を重ねた問いで外部の記事を通じて候補の一つとして挙がった場合と、代表的な問いで自社のページを引いて例として挙がった場合とでは、次にすることが違います。 前者なら外部の記事の書き方を、後者なら名前が挙がる理由を確かめます。

9-4. どのAIで、どの条件で測るか

Chenほかの実験では、ニッチなブランドについての問いで、よく知られたブランドの問いよりAI同士の回答の一致がやや低くなっていました(§4-2)。Kirstenほかでも、人気の高いドメインに寄るか低いドメインまで引くかは、エンジンによって向きが違いました(§3-2)。日本語の集計では、ChatGPTとPerplexityの上位10ドメインで共通したのは3つだけでした(§3-3)。一つのAIの結果を、他のAIにも一般化しないでください。

そして、一回の結果だけでは、繰り返したときの安定性は分かりません。同じ問いを約2か月空けて投げると、AI Overviewsが引いたページの共通は18%でした(§3-2)。一度出てこなかったことは出ないことの証明にならず、一度出てきたことも出続けることの証明になりません。

表10:固定して、記録する条件
条件記録すること
AIの製品とモデル製品の名前と、分かる範囲でモデルの名前や版
Web検索の有無検索を使う設定か、使わない設定か。検索の有無で引き方が変わりうる
地域と言語どの地域から、どの言語で聞いたか。§3の分散の観測の多くは英語
問いの原文要約ではなく、投げた文をそのまま
反復の回数と時刻何回投げたか、いつ、どれだけ間隔をあけたか
履歴とアカウント履歴やアカウントに由来する条件を、できる範囲で除いて固定する。ログアウトしても、地域や検索の設定などの条件は残るので、それも記録する

そして、AIの回答の原文を書き換えずに残してください。 要約して記録すると、自社がどう書かれていたか、大手とどう比べられていたかを、後で確かめられなくなります。

9-5. Search Consoleで分かる範囲

Googleについては、Search Consoleの生成AIのレポートで、AI OverviewsとAI Modeでの自社サイトの表示回数を、ページ、国、日付、デバイスごとに見られます。Googleは同じヘルプの中で、2026年8月31日時点で全世界のサイトへ展開したと書いています。ただし、同じページには、段階的に展開しているため、すべてのプロパティがまだ使えるわけではない、という記載も残っています。

そして、利用者が入力した問いは、このレポートの切り口にありません。 代表的な問いで出たのか、条件を重ねた問いで出たのかは分からず、Google以外のAIや、リンクを伴わない名前だけの言及も対象外です。

9-6. 当社の測り方

ここは当社の立場です。

当社、株式会社Vaigate(ヴァイゲート)が運営するVaipm(ヴァイピム)は、AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定しています。ステートレスとは、ログインの状態や過去のやりとりを引き継がずに測る、という意味です。25回という回数は、当社の運用上の設計です。研究から導かれた最適な値ではありません。

Vaipmは、対象について4通りの聞き方をします。名指しで聞く。名前を出さずカテゴリで聞く。競合と並べて聞く。固有の施策名で聞く。聞き方によって、AIの答えは変わります。

§9-1〜§9-4で示した手順は、本記事が示す一般的な測り方であり、Vaipmの聞き方と同じものではありません。自社がAIの回答の中でどう扱われているかを、聞き方を変えて繰り返し記録すること。 当社が測定で引き受けているのは、そこまでです。

9-7. この測定が答えない問い

一つ目。自社の規模が、扱われ方の原因かどうかは分かりません。 測れるのは、いま自社がどう扱われているかです。規模のせいか、情報の中身のせいか、外部の記事の量のせいかは、測定だけでは切り分けられません。

二つ目。情報を整えたとして、それがAIの回答に反映されるまでにどれだけかかるかは、この測定には含まれていません。

三つ目。回答の中での扱われ方が、事業の成果にどう結びつくかは分かりません(§6-3)。

測定が答える範囲を広げて書かないことも、設計のうちだと考えています。

10. よくある誤解

表11:よくある誤解と、確認できたこと
誤解確認できたこと
AIの引用は散っているので、小さな企業に好機である散っているのはホストやドメイン。企業の規模で数えた一次データは見つからなかった。言及が主要ブランドに寄った実験がある(§5)
AIの回答は大手のものなので、小さな企業には余地が無い通常の検索の上位に無いドメインも引かれている。有名ブランドの優位は、リストの中の評価の小さな差で消えた実験がある(§3-2、§4-3)。大手に有利だと言い切る根拠も無い
自社サイトを整えれば、自社サイトが引用されるWeb検索を使うGPTがブランドの外の媒体を多く引いた研究がある(§4-1)
引用されれば、名前が挙がる引用を広く散らしたAIのほうが主要ブランドの言及が多かった実験がある(§4-2)
条件の組み合わせごとにページを作ればよいGoogleは、操作が主な目的なら変形ごとのコンテンツはスパムの方針に違反すると明記している(§8-4)
一度測って出なければ、余地は無い回答は揺れる。一度の結果は安定性を示さない(§9-4)

11. まとめ

ヘッドタームで大手に勝てない企業が、AIの回答のどこに入れるか。 本記事は、答えを一つに絞りませんでした。

引用の分散の観測はあります。出典の種類やブランドの言及、推薦の偏りの観測もあります。二つは同じ指標ではなく、証拠の性質も揃っていません。

分散は、小さな企業の有利を意味しません。 散っている単位は企業ではなく、一度引かれたことは引かれ続けることではなく、引用とブランドの言及は別のことです。大手に有利だと言い切ることもできません。

ニッチ戦略の古典と検索広告の前例は、考える枠組みにはなりますが、AIの回答で確かめられたものではありません。

残るのは、自社の場合を測ることです。 何を数えるかを決め、引用はURLと書き手で記録し、代表的な問いと自社が違うはずの条件を重ねた問いを並べ、どこに入ったかを分けて読み、AIと条件を固定して繰り返す。一般の観測では分からない自社の位置が、そこで記録として残ります。

12. よくある質問

Q1. AIは小さな企業を引用しますか。

直接には分かりません。AI Overviewsの引用は検索結果の1ページ目より上位への集中が弱く、生成AIを使った検索の多くは通常の検索より人気順位の低いドメインまで引く傾向がある、という観測はあります。ニッチ/インディーのブランドが回答で言及される実験もあります。ただし、どれも企業の規模ではなく、ホスト、ドメイン、ブランドの知名度で数えています。小さな企業が引かれたかを直接示す一次データは、本記事の調査範囲では見つかりませんでした(§1-2、§3、§7)。

Q2. 引用が散っているなら、小さな企業に有利ではないのですか。

そうは言えません。散っている単位は企業ではなくドメインやホストです。1回だけ引かれたホストが多いという数字は、多くの異なる問いを横断した集計で、同じ問いで出続けるかは示していません。引用を広く散らしたAIのほうが主要ブランドの言及が多かった実験もあります(未査読)。引用が散っていることと、小さな企業が有利であることは別のことです(§5)。

Q3. 大手のブランドは、AIの回答で有利なのですか。

有利に働く向きの実験はありますが、言い切れません。ブランド名を出さずに人気のコーラを聞いた実験では、言及されたブランドのうち主要ブランドがChatGPTで56.3%、Perplexityで67.9%でした。仕様が同じ製品を並べた別の実験では、有名なブランドがすべて推薦されましたが、競合の星の評価がわずかに高いだけで、その優位は消えました。いずれも未査読のプレプリントで、企業の規模を測ったものではありません(§4-2、§4-3)。

Q4. 日本語の回答でも、引用は散っていますか。

ベンダーの集計では、Ahrefsが日本市場で定期的にChatGPTとPerplexityに投じている標準プロンプトへの応答から、表示された引用URL116,966件を集計し、上位10ドメインの合計は9.5%でした(2026年5月時点)。上位には、プレスリリースの配信、記事の投稿、動画、百科事典の場が並んでいます。ドメインで数えているため、小さな企業の情報がどれだけ引かれたかは、この集計からは分かりません(§3-3)。

Q5. 自社サイトを充実させれば、AIに引用されますか。

約束できません。GoogleとWeb検索を使うGPTを比べた研究では、GPTはブランド自身の媒体より、報道・レビュー・比較サイトといったブランドの外の媒体を多く引いていました(未査読)。自社のサイトに書いたことが、そのまま出典になるとはかぎりません。自社について書かれた外部のページが引かれているかも、あわせて見る必要があります(§4-1、§8-2)。

Q6. ニッチ戦略の古典は、AI検索にも当てはまりますか。

分かりません。Porterの集中戦略とCarrollの資源分割のモデルは、どこで競うかを選び、汎用的な組織の標的の外に余地を見るという考え方を与えてくれますが、AIの回答について確かめられた理論ではありません。AIの回答では、大手の既存の情報が細かい問いの回答にも引き込まれうるため、古典の構造がそのまま成り立つかは確かめられていません(§2-3)。

Q7. 条件の組み合わせごとにページを作れば、入る余地が増えますか。

Googleは、人が検索しうる変形ごとに別々のコンテンツを作ることを、主として順位や生成AIの回答を操作する目的で行う場合、大量生成によるスパムの方針に違反すると明記しています。条件の組み合わせで答えることは、組み合わせごとにページを作ることではありません。条件に答える中身が実際にあるかどうかの話です(§8-4)。

Q8. 検索広告のロングテールの経験は、AIの回答にも使えますか。

一部は参考になります。検索広告では、検索数の少ない語で探す人ほど1回の検索あたりのクリックが多く、広告のクリックの割合も高かったという研究があります。ただし、著者たちは購入のデータを持っておらず、データは韓国の一つの検索エンジンのものです。AIの回答について同じ観測は見つかっていません(§6)。

Q9. 何から測ればよいですか。

何を数えるかを先に決めることです。自社の名前が本文で言及されたか、自社サイトが引用されたか、自社について書いた外部のページが引用されたか、推薦の対象に入ったか。引用はドメインではなくURLと書き手で記録します。そのうえで、業界の代表的な問いと、自社が実際に違う条件を重ねた問いを、同じ条件で並べて測ります。二つの差が、仮説の出発点になります(§9-1、§9-2)。

Q10. どのAIで測ればよいですか。

一つのAIの結果を、他のAIにも一般化しないことです。ニッチなブランドについての問いで、よく知られたブランドの問いよりAI同士の回答の一致がやや低かったという実験があります。日本語の集計でも、ChatGPTとPerplexityの上位10ドメインで共通したのは3つだけでした。製品とモデルの名前、Web検索の有無、地域、問いの原文、測定の時刻を記録してください(§9-4)。

Q11. 一度測って自社が出てこなければ、余地は無いということですか。

そうとはかぎりません。回答は揺れます。同じ問いを約2か月空けて投げたとき、AI Overviewsが引いたページで共通したのは18%でした。一度出てこなかったことは出ないことの証明にならず、一度出てきたことも出続けることの証明になりません。条件を固定して繰り返してください(§9-4)。

Q12. Search Consoleで、条件を重ねた問いでの自社の出方は分かりますか。

分かりません。Search Consoleの生成AIのレポートでは、AI OverviewsとAI Modeでの自社サイトの表示回数を、ページ、国、日付、デバイスごとに見られますが、利用者が入力した問いは切り口にありません。Google以外のAIでの扱われ方や、リンクを伴わない名前だけの言及も対象外です。また、同じヘルプには、すべてのプロパティがまだ使えるわけではないという記載もあります。問いを決めて測る方法と組み合わせることになります(§9-5)。

13. 出典

  1. Michael E. Porter『Competitive Strategy: Techniques for Analyzing Industries and Competitors』Free Press(New York)、1980年。第2章「Generic competitive strategies」。書誌と章の構成は Internet Archive の目録で確認。本文は確認できていない。https://archive.org/details/competitivestrat0000port
  2. Michael E. Porter『Competitive Advantage: Creating and Sustaining Superior Performance』Free Press(New York)/Collier Macmillan(London)、1985年。書誌は Internet Archive の目録で確認。本文は確認できていない。https://archive.org/details/competitiveadvan00port
  3. University of Cambridge, Institute for Manufacturing「Porter's Generic Competitive Strategies (ways of competing)」。集中戦略を業界の中で狭い競争の範囲を選ぶことと定義し、集中する企業が業界の中のセグメントまたはセグメント群を選んでそこに仕える形に戦略を合わせること、費用の集中と差別化の集中の二つの形を説明する記述。典拠として Porter『Competitive Advantage』1985年、第1章11〜15頁を明記。https://www.ifm.eng.cam.ac.uk/research/dstools/porters-generic-competitive-strategies/
  4. Glenn R. Carroll「Concentration and Specialization: Dynamics of Niche Width in Populations of Organizations」American Journal of Sociology 90(6), 1262–1283、1985年5月。DOI 10.1086/228210。新聞の業界で、地域の集中が高く見えるのに多くの小さな専門的組織がうまく営業していること、資源分割のモデル、米国の地方紙2,808社の歴史的データによる検定(要旨)。https://doi.org/10.1086/228210
  5. Glenn R. Carroll, Stanislav D. Dobrev, Anand Swaminathan「Organizational Processes of Resource Partitioning」Research in Organizational Behavior 24, 1–40、2002年。DOI 10.1016/S0191-3085(02)24002-2。一定の条件のもとで大きな組織の優勢が専門的組織の存続の機会を高めるとする理論の整理、資源分割を生む四つの仕組み(立地、カスタマイズ、大量生産を嫌う文化的な感情、地位を示す消費)、市場の中心と汎用的組織の規模による競争、専門的組織が汎用的組織の標的の外に成り立つこと、集中が高まるほど専門的組織に開かれた範囲が広がる仮説、資源の次元が増えるほど同じ範囲が広がる仮説。https://doi.org/10.1016/S0191-3085(02)24002-2
  6. Haofei Xu, Umar Iqbal, Jacob M. Montgomery「Measuring Google AI Overviews: Activation, Source Quality, Claim Fidelity, and Publisher Impact」arXiv 2605.14021、2026年5月13日投稿(査読中のプレプリント)。2026年3月13日〜4月21日、55,393件のトレンドの問い、19カテゴリー。上位5ホストの占有率がAI Overviewsの引用で20.0%、1ページ目で39.1%。ユニークホスト7,479のうち4,212(56.3%)が40日間の全体でちょうど1回だけ引用。上位ホストの内訳(youtube.com 5.49%、en.wikipedia.org 4.39%、facebook.com 3.68%、instagram.com 3.65%、usatoday.com 2.80%)。引かれたドメインの信頼性の点数が1ページ目の結果より高いこと。https://arxiv.org/abs/2605.14021
  7. Elisabeth Kirsten, Jost Grosse Perdekamp, Qinyuan Wu, Mihir Upadhyay, Krishna P. Gummadi, Muhammad Bilal Zafar「Characterizing Web Search in the Age of Generative AI」Findings of the Association for Computational Linguistics: ACL 2026, pp. 10827–10848、2026年7月。英語の問い4,706件、米国とドイツ、2025年7〜9月。エンジンの間の大きな違い、Trancoの上位100万ドメインに入る割合(通常の検索89%、AI Overviews 85%、検索を道具として使うGPT-4o 81%ほか)、上位1,000ドメイン(通常の検索38%、AI Overviews 34%)、AI Overviewsが参照したドメインの平均53%が通常の検索の上位10件に、27%が上位100件に含まれないこと、検索を道具として使うGPT-4oの引いたドメインの順位の中央値1,124(通常の検索2,352)、約2か月空けた2回の実行で共通したページがAI Overviewsで18%、通常の検索で45%。https://aclanthology.org/2026.findings-acl.526/
  8. ベンダーの集計。株式会社プリンシプル「【独自調査】LLMは何を引用するのか|5,366問で表示の28,803ドメインを分析」2026年6月18日公開、9月17日更新。Ahrefsが日本市場で定期的にChatGPT・Perplexityに投じている標準プロンプトの応答データ(ChatGPT 4,860件・Perplexity 5,140件)、2026年5月時点のデータ。引用URL116,966件、ユニークドメイン28,803、上位10ドメインの合計9.5%、上位500ドメインで約40%、引用1回のドメイン17,088(59.3%)、各AIの上位ドメイン、ChatGPTとPerplexityの上位10で共通する3ドメイン、相関は因果ではないとの注記。同社はLLMO対策の支援を提供している。https://www.principle-c.com/column/ai-citation-domain-analysis/
  9. Mahe Chen, Xiaoxuan Wang, Kaiwen Chen, Nick Koudas「Generative Engine Optimization: How to Dominate AI Search」arXiv 2509.08919、2025年9月10日投稿(未査読のプレプリント)。媒体の三分類(ブランド自身・ブランドの外の媒体・ソーシャル)の定義、GoogleとWeb検索を使うGPTを比べた地域・分野別の実験(米国の家電でGPTの引用のブランドの外の媒体92.1%、カナダの家電77.6%とGoogle 54.1%、カナダのソフトウェアでブランド自身のサイトがGoogle 53.8%・GPT 25.8%)、よく知られたブランドとニッチなブランドの問いでのAI同士の回答の一致(76〜81%、71〜76%)、コーラの実験(50の問い、主要・ニッチ/インディー・その他のブランド言及の内訳、ChatGPTのWikipediaへの依存約19.7%、Perplexityの「その他」約60.6%)、分類の主観性とデータが2025年8月のものであるとの限定、謝辞。https://arxiv.org/abs/2509.08919
  10. Xi Chu, Yupeng Hou「Incumbent Advantage: Brand Bias and Cognitive Manipulation Dynamics in LLM Recommendation Systems」arXiv 2606.17443、2026年6月16日投稿・8月21日改訂(未査読のプレプリント)。スキンケア製品、GPT-4o-mini・Claude Sonnet・Gemini 3 Flash、実在1ブランドと架空9ブランドの10製品のリストを問いの中で渡す実験。仕様が同じとき有名ブランドが100%推薦されたこと、星の評価で4.3と4.4の差より小さい優位で消えたこと、作られた臨床の根拠の主張を含む権威めいた売り文句で崩れたこと、全ブランドが同じ最適化をしたとき見返りが+0.802から+0.007へ下がり加わらなかったブランドが推薦されなかったこと。主要な実験はスキンケアで、既存ブランドの優位の一部の実験についてUSB-Cケーブルと単三電池で頑健性を確認し、売り文句と最適化競争の実験はそれらの製品では試していないとの限定。https://arxiv.org/abs/2606.17443
  11. Kinshuk Jerath, Liye Ma, Young-Hoon Park「Consumer Click Behavior at a Search Engine: The Role of Keyword Popularity」Journal of Marketing Research 51(4), 480–486、2014年。DOI 10.1509/jmr.13.0099。本文は作業論文版(Marketing Science Institute Working Paper Series, Report No. 13-106、2013年)で確認。韓国の大手検索エンジンの利用者ごとのクリックの記録、150万件超の検索、クリックの約95%が自然検索、検索数の少ない語ほど1回の検索あたりのクリックと広告のクリックの割合が高いこと、クリック後の購入のデータを持たないこと。https://doi.org/10.1509/jmr.13.0099
  12. Google 広告 ヘルプ「Low search volume: Definition」。Googleで検索の履歴がほとんど、または全く無い語に付く状態であり、検索が増えるまで広告を出す働きをしない旨。https://support.google.com/google-ads/answer/2616014?hl=en
  13. Google 広告 ヘルプ「About keyword matching options」。完全一致で同じ意味や同じ意図の検索に、部分一致で語の直接の意味を含まない関連した検索にも広告が出うる旨。https://support.google.com/google-ads/answer/7478529?hl=en
  14. Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」最終更新2026年7月10日。検索しうる変形ごとにコンテンツを作ることと大量生成によるスパムの方針の関係(主として順位や生成AIの回答の操作を目的とする場合。ファンアウトの検索を例示)、Merchant CenterとGoogleのビジネスプロフィールがAIの回答と他の検索結果での可視性の助けになりうる旨、自分の知識と深い経験をもとに自分で書くよう勧める記述。https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide
  15. John Mueller「Top ways to ensure your content performs well in Google's AI experiences on Search」Google Search Central Blog、2025年5月21日。「unique, non-commodity content」に注力するよう勧める記述、AI Overviewsが結果の画面で「a wider range of sources」を示す旨。https://developers.google.com/search/blog/2025/05/succeeding-in-ai-search
  16. Elizabeth Reid「Generative AI in Search: Let Google do the searching for you」Google、2024年5月14日。AI Overviewsによって、より複雑な問いについて人々が「a greater diversity of websites」を訪れている旨。算出方法は示されていない。https://blog.google/products/search/generative-ai-google-search-may-2024/
  17. Google Search Console ヘルプ「Generative AI performance report (Search)」。AI OverviewsとAI Modeでの表示回数を、ページ・国・日付・デバイス別に見られる旨、2026年8月31日時点で全世界のサイトへ展開した旨、段階的に展開しているためすべてのプロパティがまだ使えるわけではない旨。https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=en
  18. ベンダーの集計。Louise Linehan(Ahrefs)「Only 12% of AI Cited URLs Rank in Google's Top 10 for the Original Prompt」2025年8月11日。Ahrefs Brand Radar のデータで15,000の問い(2025年7月上旬に収集)を Google・Bing・ChatGPT・Gemini・Copilot・Perplexity に投げ、引用URLが同じ問いの Google 上位10件に入る割合を URL 単位で照合。平均約12%(Perplexity 28.6%、ChatGPT の本文内の引用 8%・参照 6.1%、Gemini 8.2%、Copilot 8.6%)。https://ahrefs.com/blog/ai-search-overlap/
  19. ベンダーの集計。Louise Linehan(Ahrefs)「76% of AI Overview Citations Pull From the Top 10」2025年7月21日。100万件のAI Overviewsの190万件の引用(各回答の目立つ上位3件)を分析し、引用されたページの76.10%が上位10位に入っていたこと。https://ahrefs.com/blog/search-rankings-ai-citations/
  20. ベンダーの集計。Louise Linehan(Ahrefs)「Update: 38% of AI Overview Citations Pull From The Top 10」2026年3月2日。863,000件のキーワードの検索結果と400万件のAI Overviewsの URL で、引用されたURLの37.9%が最初の10ブロックに入っていたこと、2025年7月の約76%との比較。https://ahrefs.com/blog/ai-overview-citations-top-10/
  21. Athena Chapekis, Anna Lieb(Pew Research Center)「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」2025年7月22日。米国の成人900名の2025年3月のGoogle検索68,879件(うちAIの要約が表示されたもの12,593件)。検索を2025年4月7〜17日に再実行し、要約の情報源URLを最大3件収集。要約の情報源の15%がWikipedia・YouTube・Reddit(通常の検索結果では17%)、.gov が情報源の6%(同2%)、報道サイトへのリンクが要約の5%(通常の検索結果も5%)。https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/
  22. 代理店の集計。Brandon Kidd(DeltaV Digital)「AI search citations study: what 25,000+ citations reveal」2026年7月13日。Peec AI で2026年4月14日〜7月13日に収集した ChatGPT・Perplexity・Gemini・Google AI Overviews・Google AI Mode の回答21,075件、8業種の顧客8ブランドの上位30件のURLに当たる引用25,337件。引用の種類(記事23.7%、ランキング形式の記事19.6%、製品ページ16.3%、トップページ10.8%ほか)、Reddit が8ブランド中7ブランドで上位の引用元に入ったこと、上位30件に限った集計であるなどの限定。https://www.deltavdigital.com/resources/reports/ai-citation-study/

本記事の出典1〜17は2026年9月25日に、18〜22は2026年9月28日に一次情報で確認し(1と2は目録のみ、4は書誌と要旨のみ、11は作業論文版の本文で確認)、企業の規模を単位にAIの回答の引用や推薦を集計した一次データは本記事の調査範囲では確認できなかった。

Vaipmの視点

Vaipmは、AI上の認知を、複数のAIへの合計25回のステートレス計測で測定します。名指しで聞く、名前を出さずカテゴリで聞く、競合と並べて聞く、固有の施策名で聞く、の4通りの聞き方で、自社がAIの回答の中でどう扱われているかを記録します。企業の規模がその扱われ方の原因かどうかは、測定だけでは分かりません。

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